進化するロンドンの小売りシーン
一方、昨年にはロンドンでも厳しい行動規制が敷かれていたこともあって、当地に住む友人・知人に聞いてもデリバリーの利用が圧倒的に増えたようです。日本でも拡大しているウーバーイーツに加えて、デリバルーやジャストイートなど様々なアプリが競っています。シンガポールでは住み込みのメイドさんにほぼすべての家事をお願いして夫婦2人で会社を運営していることもあって、こちらでは忙しい時などにデリバリーを利用していますが、ロンドンの多様なレストランの多くが宅配に対応していて、食べたいと思うほぼすべての料理を滞在先で楽しめて重宝しています。
英国は上記のようにコロナ後の経済再開を積極的に推し進めたことで、IMFの推計によると21年のGDP成長率が7.0%で、来年も4.8%と主要先進国でトップクラスの数値を実現しそうです。コロナで強いられた反動もあるのか、人気のレストランやパブは連日満員ですし小売店もにぎわっています。
その中で、私たちがロンドンで生活する中で最も強い印象を受けた小売店がアマゾンフレッシュです。アマゾンは2017年に高級スーパーとして米国で人気だったホールフーズを約1.5兆円という巨費を投じて買収してから、祖業であるeコマースに加えて実店舗での小売りビジネスにも注力しています。
そして、アマゾンフレッシュという小型スーパーほどの広さの店舗では、AIによる画像認識を最大限に活用したレジがない業態を展開していて、スマホでアマゾンのアプリを起動してQRコードを表示させて入場すれば、あとは商品を手持ちでも構いませんし、店舗に備え付けてあったり、持参したりした袋に入れて自動扉を通過すれば数分後に自動で決済されます。子連れでもレジの行列に並ぶことなくクイックに買い物を済ませられるのでとても重宝していて、私たちが暮らしているイーリングという街にもアマゾンフレッシュがあることから、ほぼ毎日のように利用しています。