ここまで2回にわたってバルセロナとコルドバについて紹介してきましたが、スペイン編の最終回となる今回はコルドバ・グラナダについて紹介します。(スペイン編の初回から読む)
歴史好きにはたまらない街コルドバ
ロンドンからバルセロナに移動して、マドリッドを訪れた次にコルドバに向かいました。バルセロナからマドリッドへの移動と同じく高速鉄道で移動しましたが、マドリッドの駅には日本の基幹駅も顔負けであるほど飲食店やスーパーマーケットが充実していました。スペイン産のスパークリングワインである「カヴァ」のペットボトルまで置いてあって、パエリアなどのスペイン料理もテイクアウトして食べられるので、より楽しい鉄道の旅を演出してくれました。
コルドバは最大の観光名所であるメスキータがその象徴ですが、異文化が高度に組み合わさった遺跡群が魅力です。古代ローマ時代の神殿や橋も残っており、もちろん改築は繰り返されているものの2000年近く昔のオリジナル部分も残されていますし、ローマ時代のカラフルなモザイクもいくつか現存しています。
メスキータはもともと2世紀にローマ帝国の神殿があったとされる場所に、6世紀から7世紀にかけてコルドバが西ゴート王国の領土となった時にまず教会が建てられました。その後8世紀に後ウマイヤ王朝がこの地を征服して、モスクとして改築されることになります。そしてそれから500年近くが経過した13世紀に再びカスティリヤ王によりコルドバが征服されたことで教会に戻されて、16世紀にかけて数百年にわたり増築されたことで、現在のイスラム教とキリスト教のテイストが高度に融合した世界的に見てもユニークな歴史遺跡となっています。
あらゆる民族・宗教を内包する巨大帝国であったローマが崩壊して、一神教の国々による激しい戦闘を経て、しかし最終的には異文化が融合した遺産として再び世界から多くの人が訪れるメスキータは、人類の歴史に明るい希望があることを教えてくれるような気がしました。
コルドバでもおいしいスペイン料理を楽しめるレストランは数多くありますが、バルセロナやマドリッドと比べるとランチについては13時以降、ディナーは19時以降に営業が始まる店が多く、お腹をすかせた子供たちを連れてタイムリーに利用できる店が少なく苦労しました。
ただ、そうした中でも狭い路地をあちこち散策しているうちに思いがけない光景と出会ったり、ローカルの人に親切にしてもらったりなど、情報が限られている分旅情を満喫できたとも言えます。私たち以外にアジア系の人がほとんどおらず、1度だけですが英語が分からないだろうとヘイトスピーチな内容の暴言を受けましたが、小さい街ならではの魅力が満載で、総じて楽しい時間を過ごせました。