日本ではおなじみの印象派も
当時は斬新な現代アート
続いて、現代アートを解りやすく理解するために印象派から歴史を読み解いていきます。
印象派とは19世紀後半のフランスで花開いた絵画の流れです。代表作家としてモネやルノワール、ゴッホやゴーギャン(この2人はポスト印象派)などが挙げられます。

印象派の代表的な作品であるモネの『日傘を差す女』。光を描いた作家として有名なモネは、絵の具を混ぜて塗るのではなく、キャンバスに絵の具を混ぜずに何色も重ねて光の様子を表しました。
この手法は、この時期に発明された絵の具のチューブのおかげで、野外で作品を制作するようになった事から生まれました。光の三原色(赤・緑・青)が混ざると白になるのに対し、絵の具の三原色(同じく赤・緑・青)は混ぜると黒になってしまう。この矛盾を克服するために生まれたのです。
しかし当時は写真のようなリアルな絵画が主流だったので、印象派の作家たちはなかなか認められませんでした。

日本でも人気の高いゴッホの作品ですが、肌の色には緑や黄色が使われており、市井の人々からは「病気か!」と酷評の対象となりました。

当時、人気を博していたウィリアム・アドルフ・ブグローの作品と比べるとその違いは一目瞭然です。印象派も当時は、それまでの常識を覆す現代アートだったのです。