香港のアートバーゼルでは
記憶に残る20人の作家に選出
E:春に出展した香港のアートバーゼルでは4000人の中から記憶に残る20人のアーティストに選ばれたとお聞きしました。ここ数年で三島さんの作品は国内外から注目を浴びるようになってきていますね。
三島:アートバーゼル香港の影響か、ドイツの新聞にも私のことが載ったの。あと最近だと、香港に「M+(エムプラス)」という美術館が建設されるんだけど、そこが神戸で私の絵を3点買ってくれましたね。
ここ(アートファクトリー城南島)がオープンしたときも金沢21世紀美術館の館長、の秋元さんが来てくれて、新聞の迷路にえらく感動してくれたり、ワシントンのアーサー・M・サックラー・ギャラリーのキュレーターが見に来てくれました。今年ニューヨークで個展を開いたときは、メトロポリタン美術館のキュレーターが見に来てくれましたし、グッゲンハイム美術館や、MOMAのキュレーターも来て褒めてくれて。人気が出てきたのは急にですよ。どうやってこれまで作った作品を処分しようか考えてた矢先でしたから(笑)。
E:ここ数年で、三島さんと同世代である具体美術協会の作家たちの人気が海外で再燃していますが、やはりそういった流れも関係あるのでしょうか?
三島:そんなことも関係してるかもしれませんね。私も主人も具体のメンバーではありませんが、主人は吉原治良先生に師事しておりましたし、私は吉原先生に連れられてよく飲みに行ってましたから。具体のメンバーとも交流はありましたしね。
E:50年代から活動を続けてこられて、すでに60年が経過していますね。これだけの長期間、活動をしてきた三島さんの作品が今後どのように評価されていくのか非常に楽しみです。
三島:芸術は麻薬みたいなもので逃れられないですね。その分、家庭は大変なことになってますが(笑)。私はずっと自分のやりたいことをやってきたので、売れるなんて思ってなかった。海外の美術館からも作品がほしいというオファーや問い合わせがいろいろ来てきますが、ここに展示していた方がたくさんの人に見てもらえるからうれしいですね。
撮影協力:アートファクトリー城南島
TEXT:舩山貴之
撮影:杉山順平