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三井一弘 
アートを紐解く一冊を上梓

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鑑賞用やオフィスや自宅の彩り、資産・投資対象――目的は様々だが、ファインアートに興味を示す経営者や起業家は後を絶たない。ところが、どのように楽しみ、理解し、手に取っていけばいいかわからず、二の足を踏むケースも多いようだ。この度、そんな人たち向けに気鋭のアートディーラーとして知られる三井一弘氏が“とっておきの一冊”を上梓したので、その経緯などを伺った。ーーー

*2018年に好評いただいた回のアンコール掲載です

シリコンバレーの成功者たちが
現代アートに関心を持ち始めた理由とは?

アメリカ、NYといえば、ロンドンに並ぶ世界経済の中心地として有名だが、それと同時に「アート」が集まる町としても知られている。5番街のセントラルパーク沿いには美術館と博物館が軒を連ね「ミュージアム・マイル」と呼ばれるほどだ。「メトロポリタン美術館」や「ニューヨーク近代美術館」には、過去の名作や現代アートのトップランナーたちの作品が収蔵・展示されている。

一方で、面白い現象が起きている。なんと、近年は西海岸のサンフランシスコに現代アートを中心に多くの作品が集結し始めているというのだ。その背景を「シリコンバレーの成功者たちです」と語るのは、ミツイ・ファイン・アーツ代表で独立系アートディーラーの三井一弘氏だ。

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同氏といえば、現代美術アーティストとして活躍をした後、美術界で世界的な権威を誇る画廊「ウィルデンスタイン(NY)東京店」のアートディーラーとして活躍。2016年に独立して、現在はギャラリーや契約作家を持たないプライベートアートディーラーとして活躍する傍ら、幅広い知識と実績を元に解説者としての顔も持つ。

「グーグルやアップル、フェイスブックなど、シリコンバレーには世界を席巻する企業がオフィスを構え、多くの成功者たちが居を構えています。彼らは、一般教養としてアートに興味を持ち、気に入った作品を購入しているのです」

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アートの話題はコミュ二ケーションツールとなっている

オフィスに飾るのはもちろん、ホームパーティーを催す際、絵画など作品がないと周りから白い目で見られることも。エグゼクティヴのビジネス・パーソンの世界では今やアートは必須教養であり、例えば書斎の本棚に並ぶ背表紙からパーソナリティが伺えるように、その人となりを知るためのツールにもなりえる。あるいは、作品をきっかけに作家に思いを馳せたり、描かれた時代や場所、文化、ライフスタイルなど話に広がりを持たすこともでき、コミュニケーションツールとしても機能するのだ。

エンリッチ編集部

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