ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。

7月は2回にわたる特別編だが、後編では6月のエントリーで取り上げたホテル会員プログラムの「One Harmony」を菊地氏が実際に体験。レポートをお届けしよう。

JALマイルを使うことで、
スイートルームへアップグレード

先月のエントリーで、ホテル会員プログラムの「One Harmony」を取り上げたことを覚えているでしょうか。

詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが、これは、ホテルオークラやJALホテルズで提供されている、入会費・年会費不要の優待サービスのこと。対象のホテルに宿泊すると、1000円（税金・サービス料を除く）につき20ポイント、レストラン・バー利用1000円（税金・サービス料を除く）につき10ポイント、公式ホームページから国内ホテルの予約・宿泊利用1泊につき100ポイントが獲得でき、年間の獲得ポイントと宿泊日数（資格基準は毎年1月～12月の実績）に応じて、ステータスが付与。5000ポイント以上または10泊以上で「ロイヤル」、1万5000ポイントまたは30泊以上で「エクスクルーシィヴ」に招待されるというものでした（会員ステータスは毎年4月～翌3月まで有効）。

ステータスによって得られる特典は、新聞無料サービス、クイックチェックイン、レイトチェックアウト、客室アップグレードなど、ホテル会員プログラムではお馴染みの内容。

ところが、One Harmonyが素晴らしいのは、JALマイルの移行に対応したことです。5月から、One Harmony会員、かつJMB日本地区会員を対象に、JAL1万マイル＝450
One Harmonyポイント（2016年3月31日までは1万マイル＝6000ポイント）に換えら
れるようになりました。

さっそく、このメリットを享受しようと、私は6月に対象のひとつである「ホテルオーク
ラ東京」を利用してみることに…。具体的な手順は次の通りです。

① JAL3万マイルを1万8000 One Harmonyポイントに移行（この時点で、One Harmony最上級の「エクスクルーシィヴ」会員資格を取得）
② 公式サイトからスーペリアルーム（1泊約3万円）を2泊分予約
③ 電話を通じて、One Harmony特典を使い、スイート（1泊約14万円）へのアップグレードを申請
④ 宿泊と同時にポイントが減算

私の労力はたったこれだけでした。その結果、客室はスーペリアからスイートルームへアップグレード。本来でしたら、同室の宿泊料は1泊およそ14万円ですから2泊で28万円かかるのですが、明細に記されていたのは、スーペリア2泊分の宿泊代である6万円台（ホテルで食事をすれば食事代はプラス）だけでした。つまり、JAL3万マイルを使うことで、22万円もの価値を余分に得られたことになります。蛇足かもしれませんが、ホテルオークラ東京のスイートだけあり、非常に高い満足感。エクスクルーシィヴ会員はレイトチェックアウトを利用すれば、最終日は17時まで部屋に滞在できますから、これも重宝しました。

何を伝えたいかというと、貯まったマイルは、必ずしも各種航空特典に使う必要はないということです。国内での特典航空券の場合、1マイルの価値は1～2円程度ですが、今回の客室アップグレードだと、約6円にもなりました。同じマイルでも、使うところによってバリューアップさせることができ、有効活用につながります。ご参考いただけると幸いです。