ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。
今月のトピックは「エアライン・アライアンス(航空連合)」。現在は、3グループが競合しているが、その中身や、各アライアンスにマッチしたクレジットカードを、菊地氏が解説するーー
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。9月は、レジャーシーンで付加価値を発揮する、2枚のクレジットカードを取り上げましたが、いかがでしたか? ホテルやアミューズメント施設と親和性の高いサービスを提供するモノは非常に多く、ぜひ使いこなしていただければと思います。
そして今月ですが、複数のエアラインが提携する「エアライン・アライアンス(航空連合)」を紹介しつつ、各アライアンスにマッチしたクレジットカードにも触れたい次第です。現在は、ANAが加盟する「スターアライアンス」、JALが加わる「ワンワールド」、日系は名を連ねませんが、世界最大のエアラインとして知られるデルタ航空が参加する「スカイチーム」の、計3連合がしのぎを削っています。メインで使う会社は決まっているでしょうから、うまく使いこなし、効率的にマイルを獲得できるカードを取り上げましょう。
ファミリー利用に朗報!
航空マイルは相続できる
その前に…本エントリーでは、マイルに関する意外なトピックから始めたいと思います。以前、私は「クレジットカードのポイントは基本的に相続できない」という話題に触れました。基本的にカードポイントはカード会社のモノであり、自由に譲渡・相続は認められないというのが理由です。現金と同等の価値を持つことから、相続税との兼ね合いも見え隠れします。
一方、マイルはというと…なんと、JAL、ANAともに相続は認められます。ANAであればマイレージクラブの利用規約に個人のマイル相続について記載されていて、会員が死亡した場合、法定相続人は会員が取得していたマイルの譲渡を受けることができるのです。会員本人の死亡証明書や裁判命令など、所定の書類をANA側に提示する必要がありますが、要件をクリアさえすれば、残された家族が受け取ることは可能だということ。JALも同様で、所定の手続きをすることにより、会員のマイル口座に残る有効マイルを相続することができます。
ANAもJALも家族でマイルを合算できるANAカード、JALカードの家族特典がありますので、相続をしなくても家族でマイルを使うことも可能です。しかし、クレジットカードの本会員が亡くなった場合は、家族カードも解約になるため、やはり相続手続きが必要となります。
なかには、貯まったマイルを放置して、そのままという人もいるでしょう。数万、数十万マイルとなれば、実質的な価値は膨大です。それがなくなってしまうのは、あまりにももったいない話です。当然ながら、誰かが亡くなるのは悲しいことですが、こういった点について家族で情報を共有しておくことも大事ではないでしょうか。
なお、ユナイテッド航空のマイレージプラスとデルタ航空のスカイマイルは、親族に限らず友人にでも、生前にマイルを譲ることができます。
手続きもカンタンで、ウェブ上で受取相手の氏名と会員番号を入力すれば終了。譲渡できる人数や1回における移行上限、手数料などがかかりますが、生前贈与に対応しているのが特徴です。