ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。今月は「国際ブランドプリカ」がテーマだが、果たして今後、どのような展開があるのだろうか。
国際ブランドプリカの普及は
国策とも関係している?
新規発行が相次ぐ国際ブランドプリカですが、インバウンドの高まりとも無関係ではないと思います。ご存知の通り、訪日外国人旅行客は右肩上がりで、昨年は過去最高を記録しました。少子高齢化に伴い内需が縮小傾向にあるなか、外国人による消費の拡大は国策としても掲げられています。2020年に開催予定の、東京五輪に向けて、誘致は加速していくでしょうし、外国人旅行客も増えていくことが予想されます。
そこで課題となるのが、マネーインフラです。日本でもクレジットカードに対応する店舗は増えていますが、いまだ十分とは言えません。個人店舗では使えないケースが目立ちますし、これに不満を覚えている外国人は少なくありません。今後はサービス業を中心にクレジットカードへの対応は急務でしょうし、外国人からすればクレジットカード、国際ブランドプリカが使えるシーンが増えると利便性は高まりますから、両者にとってメリットを見いだせるはずです。
ちなみに、東京都港区の愛宕神社では、お賽銭に楽天Edyが使えるとか。一見するとミスマッチに映りますが、銭がない時には便利ですし、神社としてもお金を集計する手間と時間が縮小されますから、これはユニークかつ実用的なサービスだと思います。寺社仏閣といえば外国人にも人気の観光スポットですから、こういったところでも、クレジットカードやプリカの普及が進められるかもしれません。
高齢者の「見守りサービス」としても、国際ブランドプリカを活用できます。利用状況をウェブ上で把握できますから、利用頻度・間隔から、生存状況を確認できるというわけです。通常であれば週2回使っているのに、ここ1週間使っていないとなれば、「体調が悪いのか?」など、気付きにつながります。都心部を中心に独居高齢者は増加傾向ですから、こういったサービスに国際ブランドプリカが利用されてもおかしくないのです。クレジットカードに抵抗がある高齢者にとってプリカは親和性が高く、マッチングも難しくありません。地域の自治体や民間企業が参入しても不思議ではないでしょう。これも、地域包括ケアなど、介護や福祉という国策に関連しています。利便性の高いマネーインフラを整備することで、経済や地域の介護・福祉サービスにも貢献する可能性があるということです。