ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。じつはいま、富裕層をターゲットにしたサービスが増えているという。その実態とは?
クレジットカードのトレンドは
還元率から付帯サービスへ
これまで、クレジットカードのトレンドといえば、一般カードを中心とした還元率でした。ようは、高還元であればあるほど人気は高く、これをフックにホルダーを獲得していたわけです。
ところが、昨年~今年に入り、状況は変わりつつあります。かつて、高還元を謳っていた一般カードは、次々とルールを変更。付与率を下げて行きました。前回述べましたが、2%還元で人気だった、リクルートカードプラスは、新規募集を停止したほどです。
一方で、ゴールドやプラチナといった、上級カードホルダーに対しては、手厚いサービスが始まりつつあります。
例えば、三越伊勢丹グループなどで付加価値を発揮する「MIカード」。貯まったポイントはJAL/ANAマイルに移行できますが、上得意だけが持つことを許されるお帳場カードのホルダーだと、移行率がアップするという仕組みです。また、ゴールドカードホルダーに対しては、駐車場の延長サービス、配送料金優待サービス、修理・加工料金優待サービス、空港ショップ優待サービスなど、手厚い特典も与えられ、会員限定のレストラン予約サービス、さらには高級ラインを中心にホテルやレストランを取りそろえる「一休.com」と提携したプレミアムサービスも使うことができます。一般カードホルダーに対して、破格の優待が用意されているということです。
また、4月からは電力自由化が始まりましたが、ここでも上級カードホルダーに対しての優待は目立つようです。
例えば、JXエネルギーによる「ENEOSでんき」では、ANAカードやTSキュービックカード、レクサスカード、MIカードといった、エンリッチ読者と親和性の高いカードを対象に、電気料金に支払いに対して、付与ポイントをアップさせています。電力会社からすると、たくさんの電気を使ってくれる家庭を多く押さえた方が収益は高くなりますから、当然の施策かもしれません。
同様のサービスは他社でも見られ、東電は「タカシマヤゴールドカード」会員向けに特別キャンペーンを実施し、タカシマヤ商品券10,000円分のプレゼントを用意していました。
少しばかり直球すぎる気がしますが、こういった動きが起き始めているのは、紛れもない事実。そこで付加価値が得られるのならば、キャッチアップしておきたいところです。
ーーーカード会社や新電力は、いわゆる「お得意様」を優遇するサービスで、顧客を獲得したい構え。そこでメリットや利便性が得られるなら、サービスを選ぶ目安にもなる。今後も、同様な取り組みは増えそうなので、自分が持つカードの動向はチェックしておきたい。