ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本企画。6月は“住まい”に注目して、最新の話題を紹介しよう。
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。先月は企業やカード各社が富裕層向けに提供する新たなサービスについて触れました。クレジットカードに関しては、誰もかれもに高いポイント還元率、マイル移行を提供するのではなく、利用単価が高いと想定される上位カードのホルダーに対して、手厚いサービスを行い始めていることがわかりました。東急のように顧客向けサービスを強化するのも、比較的アッパークラスが住む地域で囲い込みをしたいというのが理由でしょう。いずれにしろ、彼らの目線は一般層からワンランク上を優遇するという点で一致しています。
デベロッパーと
カード各社の提携が加速
同様の施策は、住まいの分野、とりわけ大手デベロッパーの間でも見られる様になってきました。前にも簡単に紹介しましたが、分譲マンション『プラウド』シリーズを販売する野村HDと三越伊勢丹HDは、昨年10月にクレジットカード分野で業務提携すると発表。エムアイカードは、プラウドのオーナー向けに専用のカードを発行してポイントを優遇したり、管理費や修繕積立金の引き落としでもポイントを付与する予定です。
こうなると毎月のことですから、貯まるポイントも相当なボリュームになるに違いありません。しかも、エムアイカードのポイントはJAL/ANAの両マイルに移行できますから、マイラーにとっても魅力的。JTBトラベルポイントとのポイント交換もこの夏に始める予定で、これも、旅行ニーズが高い顧客層とマッチした施策といえそうです。カード自体は今年10月から発行される見通しで、プラウドオーナーには朗報でしょう。
三井不動産も同様のサービスは行っています。同社が手掛ける三井不動産レジデンシャルのオーナー向けに「三井のすまいLOOP VISAカード」を発行していて、同カードで管理費・修繕積立金・駐車(輪)場使用料を支払うと、クラシックカード、ゴールドカードともにポイント付与の対象になります。
カード年会費はクラシックが1250円、ゴールドが1万円(ともに税抜)ですが、クラシックは年1回の利用で次年度無料、ゴールドもWEB明細やリボ払いなど所定の条件を満たすことで、最大年4000円にまで抑えることができます。該当する物件に住んでいるなら、持っておいた方が良いでしょう。ホルダーには、三井アウトレットで使えるクーポンも年に2回届けられるという特典もあるようです。
一方、三菱地所がどうグループのマンションに住んでいて、レジデンスクラブに入会しているオーナー向けに発行するのが「三菱地所グループCARD(三菱地所のレジデンスクラブ)です。これも、三菱地所コミュニティが管理する分譲マンションの管理費・修繕積立金・駐車(輪)場使用料などの支払いにこのカードを使うことができ、かつ100円=0.5ポイントを還元。全国のNICOS、VISA加盟店での支払だと100円=1ポイント付与ですが、定期施設だとポイント2倍となります。丸の内エリアやみなとみらいエリア、アクアシティお台場、その他提携ホテル、ゴルフ場、アウトレットでもカード提示するだけで、割引や優待を受けられるという仕組みで、「衣食住」をサポートする内容になっています。
ーーーついついクレジットカードというと、メジャーなプレミアムクラスがあればそれで足りると思うが、生活の細かなところに注目していくと、ピンポイントで付加価値を見い出せるカードがある。ここで紹介した分譲各社が発行するカードの場合、管理費などの支払いに対応するのは、自社の提携カードのみ。支払う額も相当なので、インパクトは大きい。該当するマンションに住んでいるならば、持っておくのも賢い選択だろう。