ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。2017年最初は「特別編」をお送りしているが、前回に続き、モバイル決済サービスについて、菊地氏に語っていただいた。(1/3から読む)ーーー
モバイル決済サービスの普及で
クレカの重要性も高まる
サムスンが提供するスマホ、Galaxy端末内にVisaのクレジットカード情報を登録して使う「サムスンペイ」も海外では使われています。NFCを使ったサービスなので日本は未対応ですが、Felicaでも使えるようになれば、アンドロイドペイと同じく日本に上陸する可能性があります。
そもそも、世界におけるモバイル決済(非接触型ICカード)の主流規格はNFCであり、Felicaは日本独自のもの。ここでもガラパゴス化が進んでいますが…2020年に東京五輪を控えていたり、インバウンドに力を入れていることから、いつまでもNFC鎖国を続けているのはナンセンスという見方もあります。仮に対応を始めたら、サムスンペイも日本独自仕様にする必要はなく、その他海外で使われているサービスが導入される可能性も。店舗側では端末の導入などコスト面の負担が生じるので何とも言えない部分はありますが、今後どうなるのか注目しています。
海外からの上陸という意味では、中国で急速に普及している「アリペイ」も気になるところです。これは、中国でECサイトを展開するアリババグループによる中国最大規模のオンライン決済サービスで、ディスプレイにQRコードを表示させることで、スマホでも使うことができます。日本国内でもリクルートライフスタイルが同サービスと提携していて、加盟店舗の決済に使うことが可能。バーコード読み取りなので店舗側の導入負担もさほどなく、今後も採用が増えていくと考えられます。
こういった状況を目の当たりに、国内勢も手をこまねいているわけではありません。楽天は、スマホ向けの「楽天ペイ」を始めていて、ここでは、楽天会員情報に登録したクレカを使ってリアル店舗でショッピングができ、かつ支払い200円ごとに楽天スーパーポイントが1ポイント貯まります。ネット系の楽天サービスと同じく、買い物代金にポイントが使え、登録クレカが楽天カードだと、利用100円ごとに1ポイントも付与される仕組みです。利用可能店舗は限られますが、付加価値の高いサービスといえます。リアル店舗で使えるサービスとしては、LINEが提供する「LINE Pay」も有名ですが、競合しながらも成長が期待されるサービスです。