投資を促す様々な
サービスが続々と登場
本題に入る前に…ここ数年で、「NISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など、投資における公的な税制優遇制度が充実してきました。
ご存知の通り、日本人は「投資より貯蓄」という国民性で、資産の多くは預貯金として蓄えられています。しかしながら、日本はバブル崩壊以降、世界にも類を見ない超低金利水準が続いていて、銀行にお金を預けたところで殖えることはありません。政府としてもこのような状況には頭を抱えていて、様々な施策を打ち出したというわけです。
株や投資信託は資産をリスクにさらすことになりますが、NISAであれば期間限定ではあるものの投資で得た利益は非課税扱い、iDeCoなら60歳まで、毎月の掛け金分が所得税と住民税から控除、運用で得た利益は非課税扱い、さらに受け取り時も退職所得控除や公的年金控除の対象となる一定額が非課税になります。資産形成に積極的なエンリッチの皆さんであれば、運用と節税を両立させる手段として、すでに活用しているのではないでしょうか。
預貯金と違って元本は保証されませんが、効率的にお金に働いてもらうという意味で、ある程度のリスクを取ることは決して悪いことではありません。余剰資金など、資産の一部を使いアクティブに運用するという考えは、もはや資産形成のスタンダードといえます。
一方で、資産形成のハードルを下げるサービスも、証券会社を中心に続々と登場しています。それが、「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語として知られる「フィンテック」を活用して、一人一人にマッチした資産形成のアドバイスやポートフォリオの提案をする「ロボアドバイザー」の仕組みです。
これまで、投資の相談といえば、証券会社の営業マン、ファイナンシャルプランナーなど、その道のプロフェッショナルに受けてもらうのが当たり前。あるいは、専門書やネットの情報を頼りに、孤軍奮闘してポートフォリオを考えるというのが一般的でした。ところが、プロに頼むと時間や費用がかかりますし、個人で資産形成をするといっても不安はつきまといます。これを解決するために登城したのが、ロボアドバイザーです。
ーーー税制優遇やロボアドバイザーにより、投資に対するハードルは徐々に下がりつつある。次回も引き続き、資産形成における最新トピックを探っていこう。