ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値などを見出す本連載。10月のテーマは「ポイントやマイルを取り巻く最新トピック」(1/3回から読む)。伊藤忠商事とユニー・ファミマHDの動向について、菊地氏が見解を述べている。ーーー
流通グループを取り巻く
ポイント事情に新たな動き?
ファミマがTポイントから脱退するのかどうか、現時点ではハッキリしません。独自ポイントを開発しても、各店舗ではTポイントと共存させるといった可能性もゼロではなく、この辺りは今後の動向を追っていくしかないでしょう。
ただし、少し気になる点がひとつ。じつは、ユニー・ファミマHDは子会社を通じて、独自の共通ポイントをすでに持っているのです。それが、東海地方を中心に総合小売チェーンの「アピタ」や「ピアゴ」を展開する、ユニー株式会社のグループ会社で金融事業セクションの株式会社UCSによる電子マネー「ユニコ」です。
ユニコはアピタやピアゴ、サークルKサンクスでも使え、決済でユニコポイントを付与(基本200円=1P)。ポイントは、500P貯まるとユニコ電子マネー500円分をユニコカードへ自動的に加算するという仕組みです。
今後、サークルKサンクスがファミマに転換するとユニコは使えなくなり、対応店舗はアピタ、ピアゴだけ…。せっかくのリソースの幅が狭くなってしまいます。よって、こういったサービスの転用も考えられるかもしれません。
ちなみに、電子マネーに関する動きですが、海外ではすでに始まっています。伊藤忠商事とファミマは、台湾で電子マネー付き共通ポイントのサービスを2015年から始めていて、現地の政府系クレジットカード会社などと共同出資会社「UUPON」を設立。現地ファミマなど小売店などでポイントを貯めて使えるようにしています。Tポイントに加盟することで培ってきた、ポイントサービスのノウハウを海外で活用したわけですが、すでにこういった実績もありますから、日本での独自ポイント、さらには電子マネーの開発のハードルは高くないのかもしれません。