ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値などを見出す本連載。11月最後のエントリーでは、菊地が持っている、新たなでユニークなクレジットカードを取り上げよう。(1/3回から読む)ーーー
貯まったポイントを“寄付”するカードが登場
おそらく世界初、ユニークなクレジットカードが登場したので紹介します。それが、三越伊勢丹系のクレジットカード会社であるエムアイカードと鹿島神宮の提携で生まれた「鹿島神宮カード」です。ラインナップは、一般カード(年会費5000円+税)とゴールドカード(年会費1万円+税)で、一般カードには、アーティストの相川七瀬さんがデザインしたものも。私はゴールドカードを作りました。
鹿島神宮とは、茨城県鹿嶋市にある神社で、日本建国・武道の神様である「武甕槌大神」を御祭神とする、神武天皇元年創建の由緒ある神社です。長い歴史があることから、藤原摂関家や徳川将軍家をはじめとする武家の信仰が篤く、奉納した宝物類もたくさん所蔵しています。現在も、アスリートや経営者から人気があるようです。
さて、そんな鹿島神宮カードですが、最大の特徴は、年会費、毎月の支払いで貯まったポイントはすべて、式年大祭の斎行および文化財の保護継承の財源として、寄付されるということ。信仰心が試されますが(笑)、自動で寄付できると考えると、ある意味便利かもしれません。ポイントを失効させてしまう人にも向いているでしょう。一般カードは200円で1P、ゴールドカードは100円で1Pが貯まり、月末時点で5000Pごとに自動で寄付され、手続きは不要。寄付が行われると、鹿島神宮限定の返礼品が届きます。近年は大きな神社でも寄付を募るのは大変で、こういった仕組みは効率的かつユニークではないでしょうか。
他にも次のような特典があります。
・お祓いしたカードを用意
・入会翌年以降鹿島神宮より返礼品
・神職による案内や鹿島神宮宝物館入場無料など鹿島神宮での限定特典
発行前にお祓いをしているので、言うなればお守りと同じようなもの。入会翌年以降の毎年入会月には鹿島神宮がホルダーを名簿によりお祓い、その証として、特別に謹製した御神札が届けられます。一般の参拝者が入れない境内の案内、国宝指定の直刀などが展示されている宝物館への入場も無料、カード会員限定で参加できるイベントも用意しています。
また、ゴールドカードのホルダーであれば、宿泊予約サイト「一休.com」のプレミアムサービスが最大1年間利用でき、通常年会費6000円で、高級レストランの食事を24時間予約できたり、特別メニューを堪能できる「LUXA RESERVE for MICARD GOLD」を年会費永年無料で使えるという特典も用意しています。
エムアイカードでは、三越伊勢丹と野村不動産が提携したことに伴い、野村不動産グループの利用でポイントが貯まる「野村不動産グループカスタマーカード」を発行したり、福岡市の天神エリアでの買い物で優遇する「VIORO CARD」、丸井今井を利用し、北海道コンサドーレ札幌サポーターのための「CS MICARD」など、他にはない面白いカードを発行していることでも知られます。鹿島神宮カードも、経営者層の信仰が篤いことから三越伊勢丹との親和性が高く、取り組んだのかもしれません。東京都内にお住いの方なら、八重洲からバスで約2時間、本数もたくさんあり、意外と簡単に参拝にも行けます。私もカードを作り、さっそく現地に参りましたが、とても良いところでした。あるいは、このカードをきっかけに、寄付系のクレジットカードが増えるかもしれません。ポイントの活用方法は多岐に渡りますから、ユニークなカードはもっとあっても良いでしょう。続報があればまたお伝えします。