例えば三越伊勢丹グループの場合、三越は「お帳場カード」、伊勢丹は「お得意様カード」を発行していて、それぞれで一般、ゴールドカードがあり、年会費はエムアイカードに準じます。内容としては、クレジットカードの付帯特典に外相カード独自の特典がプラスされるという内容です。三越日本橋店であれば、三越劇場のカード決済で優待料金、三越銀座店であれば託児所「キッズスクエア」の優待料金など、特典内容は店舗により異なります。
さらに三越であれば、エグゼクティブや桁違いのショッピングをしている上顧客に対して「三越お帳場カード Platinum」という、自社店舗のみで利用できるハウスカードを発行しています。名称はプラチナですが、実際のところはブラックカードのようなもので、入手がかかなり困難。一方でホルダーになれば店舗でお得意様サロンを利用できたり、欲しいものは外商が届けてくれるなど、それこそ桁違いのサービスを受けることができます。
他の百貨店でも、高島屋であれば「タカシマヤカード《VIP》」、西武・そごうは「ロイヤルセゾンカードミレニアムVIP」、阪急阪神百貨店の「阪急阪神百貨店お得意様カード プレミアム」といった上得意向けのカードは用意されていて、こういったこともあり、これとは別にプレミアム系クレジットカードを発行する必要はないというのが、各社の考えなのかもしれません。一方、外商カードはハードルが高く、なかなか持てるものではないことも事実。そこで、新たにプレミアム系クレジットカードを発行、アピールして、自店舗のファンを広く募るというエムアイカードの戦略は、あながち間違っていないと思います。そこで優良な顧客が見つかれば、外商カードに招待するという手もあるでしょう。
このように、エムアイカードを筆頭に、百貨店系クレジットカードには大きな動きがあるかもしれません。今後も注目すべきトピックがあればお伝えしていきましょう。