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モバイル決済最新トピック 3/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。8月は「モバイル決済」について解説してきた。(1/3から読む)ーーー

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フィンテックベンチャーも新機軸の
モバイル決済サービスを実現

モバイル決済に取り組むのは、大手企業だけではありません。ベンチャーも積極的で、そのひとつが2017年設立の株式会社pring(プリン)です。同社は個人間でお金をやり取りできるアプリ「pring」を提供していて、みずほ銀行、三井住友銀行、東邦銀行といった連携登録した銀行口座からpringのウォレットにチャージを行い、ユーザー同士でお金のやり取りをするといった仕組みです。みずほ銀行は、pringの実証実験にも協力していて、同行のデジタル・ウォレットに対する前向きな姿勢がわかります。

そんなpringですが、この6月には同アプリを利用したQRコード決済サービスの加盟店舗の募集を始めました。これは、リアル店舗における決済をpringのウォレットアプリからできるというもので、店舗側はpringのショップ版アプリで金額を入力のうえQRコードを生成して画面に表示。ユーザーはこれをスマホで読み取ると、pringによる決済が即時で完了するのです。さらに驚きなのは、0.95%という決済手数料の安さ。一般的にクレジットカードや電子マネーの水準は3~4%とされていますからpringの手数料水準は脅威的で、業界最安値と謳うほどです。

モバイル決済とは異なりますが、個人間送金サービスを手掛ける、株式会社Kyashは6月上旬に、全国のVisa加盟店での決済に使える磁気カードの発行を始めています。

同社では手数料なしの個人送金アプリ「Kyash」を提供していて、アプリ上で発行したバーチャルのVisaカードにクレジットカードやコンビニから入金すれば、お金を送り合えるというサービスです。飲み会の割り勘や集金に便利だということで、ユーザーを増やしてきました。

そして今回ですが、カードを発行し、Visa加盟店で使えるようにすることで、サービスの利便性をより高めようというのが狙いだと思います。さらに、決済金額の2%は翌月のKyashの残高としてキャッシュバックするというインセンティブも提供します。Kyashに紐づけているのがクレジットカードの場合、チャージ時にはカードポイントが付与されますから、実質ポイントの2重取りが可能になるというわけです。

菊地崇仁

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