ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

2019年 年始特別編 3/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。1月は「特別編」をお送りしているが、最後のトピックは「決済インフラ」について。今後の動向を菊地氏が予測する。(1/3から読む)ーーー

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2020年に向けてモバイル決済や
コンタクトレスの普及が急務

2018年は、QRコードなどを活用したモバイル決済が続々と登場した1年でした。スマホアプリ決済では「楽天ペイ」「LINE Pay」「Origami Pay」「d払い」などがあり、中国発の「Alipay」や「WeChat Pay」を採用する国内企業も増えています。なんと、「ペイパル」は両者と提携しました。昨年12月にはソフトバンクとYahoo!J APANによる「PayPay」のサービスも始まり、ファミリーマートとビックカメラがいち早く採用。後発ながらユーザーを獲得しているようです。

この分野では2019年も新たなプレイヤーが参入する予定で、そのひとつが楽天とauにより4月開始予定の「au Pay」です。楽天は10月から携帯電話事業に参入しますが、その際にKDDI(au)と提携し、同社の通信設備を利用することが決まっています。他方、決済分野に関しては。楽天が持つ「楽天ペイ」をはじめとした決済プラットフォームや加盟店網をKDDIに提供するというわけです。その他にもセブン&アイグループによる「セブンペイ」なども控えていて、モバイル決済の手段はさらに多様化していくでしょう。矢野経済研究所のモバイル決済に関する調査では、2017年度は国内で1兆256億円だった市場規模が、23年度に4兆3708億円に拡大すると予測しています。

実際、モバイル決済はクレジットカードに比べて加盟店手数料が低かったり、導入コストも抑えられるので採用しやすいとう利点はあるようです。ただし課題もあり、それがプレイヤーの乱立でしょう。今後は競争が激しくなることは間違いありません。また、規格の統一は急ぐべきテーマでしょう。現状だと乱立していて、消費者不在の取り組みといった印象も受けます。業界が協力しあうのか、国が主導するのかわかりませんが、1日でも早く解決すべきだと思います。

菊地崇仁

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