ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。6月第2回目は、楽天やソフトバンクが始めた、スポーツ施設におけるキャッシュレスサービスについて紹介する。(1/3から読む)ーー
楽天やソフトバンク系の
スタジアムでキャッシュレス化
コンビニや飲食店、ドラッグストアなど、街のあらゆる場面で進むキャッシュレス化ですが、その波は一部スポーツ施設にも押し寄せてきました。なんと、プロ野球2019年シーズンからは、楽天イーグルスの本拠地である宮崎・仙台にある「楽天生命パーク宮城」は、完全にキャッスレスになりました。GWに家族で出かけてきたので、その模様をお伝えします。
現地に向かったのは4月末の土曜に、10連休が始まったタイミング。新幹線のチケットはアメックスプラチナのコンシェルジュ経由で何とか予約することができました。その目的は、楽天生命パーク宮城のキャッシュレスサービスを確かめるためです。
観戦チケットは楽天イーグルスのサイトで前売り券をあらかじめ購入し、発行されたQRコードをスタジアムに設置してある「Eチケステーション(発券機)」にかざせば発券するという流れ。セブン-イレブンで発券したり配送にも対応していますが手数料がかかります。「楽天イーグルスショップ」など一部店舗、電話でも受け付けています。
驚くべきは、キャッシュレスの徹底でした。なんと、楽天生命パークではチケット・グッズ・飲食などの購入に、原則として現金が使えませんでした。その代わりに、コード決済の「楽天ペイ」、電子マネーの「楽天Edy」、「楽天カード」をはじめとする各種クレジットカード、「楽天スーパーポイント」、「楽天デビットカード」、「その他のデビットカード」、「楽天銀行プリペイドカード」が対応することに。球場内には「キャッシュレスオンリー」のプラカードが掲げられていて、「本当に使えないとは」と驚きを隠せませんでした。
ただし、現金が使えないからと言って場内が混乱しているようには見えませんでした。地元の方たちは既に知っているようですし、スタジアムではスタッフが「お買い物には楽天ペイや楽天Edyをお使いください」といった声かけも。各所には相談デスクの「楽天キャッシュレスデスク」が設置されていて、アプリの使い方を説明していたようです。
私も売り子さんから飲み物を買う時に楽天ペイを使いましたが、コードを見せると会計は終わりますから、とても簡単です。現金を受け渡ししないで済むので、スムーズに購入できました。一方、観戦中に飛ばす風船など少額のグッズやアイテムは現金の方がラクだったり、端に近い座席ならいいのですが、中央だとコードの読み取りなどが面倒だと印象も……。こういった点は改善されていくのだと思います。
楽天ペイで支払うとドリンク全品100円オフ、グッズを買うと10%ポイントバックといったキャンペーンも実施していました。他にも年4回、特定の試合の時に楽天ペイでビール・ソフトドリンクが半額といった特典もあるようです。特定のサービスとはいえ、キャッスレス決済をすることでインセンティブも用意されているので、観客にとっても魅力的でしょう。ちなみに、試合後にスタジアムからタクシーに乗ったところ、ここでも楽天ペイをはじめとする幅広いキャッシュレス決済に対応していました。ドライバーさんに尋ねたところ、かなりの乗客が利用しているとか。仙台ではプロ野球をきっかけに、キャッシュレスユーザーが増えていくのかもしれません。