また、ICクレカで決済する際は、専用の決済端末に暗証番号を入力します。目に見えて磁気カードと異なる点です。極端な話、サインだと第三者に真似される恐れがありましたが、暗証番号ではそうしたことがありません。
セキュリティの高さで優位性のあるICクレカですが、2018年6月に施行された改正割賦販売法により、今年3月までに加盟店は決済端末のIC化が義務付けられています。もともと、多くのカード会社はIC化を進めていましたが、加盟店によっては専用端末がなく磁気ストライプで決済していました。ところが、設置がマストとなるわけです。かつ、従来までは不正利用があるとカード会社が損害を負担していましたが、IC化により磁気ストライプ決済での被害は加盟店が負い、IC決済での被害はカード会社が負担するというように、責任の所在も明確になっています。加盟店としては、IC端末を導入し、IC対応カードを使ってもらう方が、リスクを抑えられるわけです。テーブル会計がメインの高級レストランや売り場から離れたバックヤードに決済端末のある百貨店では、いまだ磁気ストライプ決済が多いのですが、今後はハンディタイプの端末でIC決済するケースが増えるかもしれません。
それに、いまはコンビニなど小売店ではレジにある決済端末にカードを差し込み、ホルダー自身が暗証番号を押すシーンが増えています。カードと手渡す必要がないので安心ですし、スピーディに支払いができて便利ではないでしょうか。
ーーー決済端末のICが義務付けられたことで、今後はIC取引がメインになり不正利用は減る可能性が高い。次回も、クレジットカードのセキュリティ事情に迫ろう。