ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。4月最後は、クレジットカード会社のセキュリティへの取り組みをまとめよう。(1/3から読む)ーーー
カード番号は裏面がトレンド?
個人情報に配慮するカードフェイス
加盟店に対するIC決済端末の設置義務を受け、カード会社もIC化を本格的に進めています。これまで、チップ非搭載だったダイナースクラブカードやクレディセゾンのカードは有効期限内にも関わらず自主的に切り替えました。これにより、国内ほぼすべてのクレジットカードが、ICチップを搭載したことになります。
一方、アナログな手段ですが、盗み見防止を目的に、最近はカード番号を裏面に記載するものも出てきました。例えば、アメックス・プラチナは2018年秋のリニューアルをきっかけに、材質がプラスチックからメタルになり、カード番号を裏面に記載。今春からラインナップを一新する、プリペイド式VisaカードのKyash Cardも実カードタイプは表面にカード番号は記載しません。
また、三井住友カードは2月3日より、カードデザイン・名称をリニューアル。表面にはカード名とホルダー名が載るくらいで、カード番号と有効期限、セキュリティコードは裏面に集約しています。こうした取り組みは一見すると地味ですが、カードの裏面を見せることはあまりないので、効果的だと思います。
Visaを中心に日本で普及を進めている、コンタクトレス決済(タッチ決済)も、決済端末に所有者自身がカードをタッチして決済を済ませますから、スキミングやカード番号の盗み見防止になります。Visa以外にMastercard、アメックスもコンタクトレスは始めていて、3月からはイオングループ、7月からはセブン―イレブンも対応するなど、使えるシーンは一気に増えるでしょう。
ただし、コンタクトレスはカード自体が盗まれると、利用を停止しない間は、ずっと使われ続けることになります。そこで、JCBはタッチ決済に生体認証も加えるという、セキュリティの高いプロセスにするよう、実証実験を行っているようです。仮に実現すれば、ホルダー以外は決済できませんから、安心です。
このように、カード会社はあらゆる取り組みを通じて、クレジットカードの安全性を高めています。実装していくことで、日本のキャッシュレス決済比率は上がっていくかもしれません。他方、フィッシング詐欺などは後を絶ちませんから、対策は急がれます。今後も、新たな施策があれば、取り上げたいと思います。