ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回は、久ぶりに登場した新たなプレミアム系クレジットカードを紹介する。(1/3から読む)ーーー
ポイントに特化した
プラチナカードが新たに登場
「マイルをためやすい」「キャッシュバック専門」など、サービス・特典に特化したクレジットカードはたくさんありますが、プレムアム系においては、コンシェルジュ、空港ラウンジ、グルメ・宿泊系の優待など、フルサービスが付帯しているのが一般的です。
だからこそ、高額なコストに見合うわけですが、三井住友カードは9月1日からポイント付与に特化したカードの発行を始めています。それが、「三井住友カード プラチナプリファード」(以下、プラチナプリファード)」です。
同カードの特徴は、とにかくポイント付与に手厚いこと。入会3か月後までに40万円を利用するだけでVポイントを4万P還元、これで年会費3万円(税別)はペイできます。
ポイント還元率は基本1%(100円=1P)ですが、「プリファードストア」と呼ばれる特約店ではプラス1~9%、海外利用(外貨ショッピング)ではさらに2%がプラスされます。主な特約店と追加ポイントの割合は次の通りです。
・百貨店:大丸、松坂屋、阪急など +2%
・旅行:一休.com、エクスペディア、ホテルズ.com +6~9%
・交通:ETC、ANA、ジャパンタクシー +1~4%
・ライフスタイル:蔦屋書店 +2%
・コンビニ:セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンなど +1~2%
・カフェ、ファストフード:マクドナルド、ドトール、すき家など +1~2%
・ドラッグストア:ココカラファイン、マツモトキヨシなど +1%
・スーパー:SEIYU、ライフ、オークワ、APiTAなど +1%
例えば旅行であれば、ベースポイント1%に加えて最大でプラス9%なので、マックス10%のポイント還元が実現。コンビニやスーパーの還元率は低いといえ、利用頻度が多いなら、それなりの付与数になるでしょう。
さらに特徴的なのは、毎年、前年100万円の利用ごとに1万ポイントを付与することです。最大4万ポイントなので、年間400万円を使うと上限に達します。少なくとも年間200万円を利用すればポイント付与分で2万ポイント以上、利用ボーナスで2万ポイントと、計4万ポイント。この時点で年会費以上のポイントを得られます。
利用可能枠は原則150万円以上で、リボ・分割・ボーナス一括払い利用枠は0~200万円、キャッシング利用枠は0~100万円と、利用枠が大きいのも特徴です。たまったポイントは、IDバリューやギフトカード、キャッシュバック、景品、マイル、他社ポイント、銀行の振込手数料割引、Vポイントモールで使うことができます。
ただし、このカード。他のプレミアム系クレジットカードにあるコンシェルジュサービスなどは付帯してなく、あるのは海外・国内の旅行傷害保険とお買い物安心保険、国内主要空港とハワイホノルル空港が大勝のラウンジ無料サービスくらいです。
プレミアム系クレジットカードにありがちなサービスや特典をそぎ落として、ポイント付与に特化した、このカード。昨今は国や民間企業によるキャッシュレス決済の推進、昨年実施されたキャッシュレス・消費者還元事業、さらにはコロナの影響もあり、クレジットカードの利用は増えています。
そうしたなか、頻繁に旅行に出かけない、高級レストランなどで食事もあまりしないのであれば、ポイント付与に振り切ったカードの価値を見出すホルダーがいてもおかしくありません。ざっくりとたまったポイントを使えば手厚い特典が得られ、ユニークなコンセプトのカードだと思います。
なお、同カードではブラックとプラチナホワイトの2種類のカラーバリエーションを用意していて、プラチナカードと言えばブラックが多いなか、ホワイト系は斬新です。
ーーーベースポイントに加えて、特約店を多数そろえることで、多くのポイントを付与。継続特典も使えば、かなりの付加価値を発揮するだろう。次回は、他の特化型カードの動向や秋以降のポイント還元率の変化について押さえよう。
*2020年10月12日掲載