ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は年始の特別編をお送りする。ーー
エンリッチ読者の皆さん、ポイ探の菊地崇仁です。昨年は、とにかく新型コロナウイルスに振り回された1年間でした。そうしたなか、衛生的ではない現金の代わりにキャッシュレス決済の普及が一気に進んだり、実カードのセキュリティが強化されるなど、新たな動きがありました。今年はどうなっていくのか、プレミアム系クレジットカードの動向やその他のキャッシュレス決済、ポイントに関する情報をお伝えしたいと考えています。よろしくお願いします。
プレミアム系カードの特典に変化
国内やオンライン系のサービスを導入
今回は、2021年におけるクレジットカードやポイント関連の動向を考えます。
昨年に引き続き、新型コロナの影響は避けられないと思います。政府は昨夏からGo Toトラベルをはじめとする支援策に取り組み始めたものの、冬に入ると感染の最拡大を受けて、Go Toトラベルは年末年始にかけ全国一斉で一時停止することに。
一方で、1月末で終了のはずだったのが6月末まで延ばすと決め、1兆円の予算を計上しました。Go Toイートのプレミアム食事券も、販売1月末まで、利用3月末までから、実施期間を6月末まで延長のうえ、追加発行を行う方針です。とりわけ、Go Toトラベルの予約はネットの旅行予約サイトを使う人が多く、各サイト独自でポイントの上乗せなど、キャンペーンが行われるかもしれません。いずれにしろ、利用する際は三密を避けるなど、感染症対策を徹底たうえで、楽しみたいものです。
おそらく、当面は新型コロナの余波があるとして、プレミアム系クレジットカードも影響は避けられません。空港ラウンジや宿泊施設・飲食店などトラベル・グルメ系の特典が充実しているだけに、使えない状況が続きます。昨年は、保有を見直したホルダーもいたことでしょう。
ただし、カード会社は対応を始めています。「ラグジュアリーカード」は米オンラインヨガサイト「Yoga Today」や取り寄せの優待を始め、アメリカン・エキスプレスはリラクゼーションアプリ「Calm」の初年度無料・次年度半額のキャンペーンを昨年実施しました。
ダイナースクラブは大胆なサービス変更を発表しています。今年4月以降は、海外空港ラウンジのハワイの「LeaLeaトロリー」(ハワイ)、海外旅行手荷物宅配に上限が設けられるようになり(プレミアムカードは変更なしのサービスもあり)、ハワイラウンジや名門ゴルフ場優待、海外旅行空港送迎サービスは廃止される予定です。
対して、「国内クラブホテルズ・旅の宿」は対象ホテル・旅館を拡大、部屋をアップグレード、会員限定特別ツアーの実施、「プリンスゴルフリゾーツ」のゴルフ優待など、国内の特典は拡充します。海外に渡航する会員が減ったこと受けた変更ではないでしょうか。
エアライン系のカードも、マイルがたまったところで旅行の機会が激減し、持て余した人もいると思います。
こうした状況を受け、JALは3月末までに有効期限を迎えるマイルとe JALポイントを、2022年1月末が有効期限のe JALポイントとして積算すると発表しました。ANAも3月末から8月末までに有効期限を迎えるマイル、ANA SKYコインの有効期限を9月末まで延長します。一方でANAは、ファーストクラスやビジネスクラス搭乗者が成田空港や名古屋空港、伊丹空港に到着後、指定先までハイヤーを無料で利用できる「お帰りハイヤーサービス」を昨年末で止めました。
エアラインは旅客需要の激減で苦境に立たされているのは、ご存じの通り。今年3月期通期の決算予想はJAL・ANAともに巨額の赤字を見込んでいます。これにより、さまざまなサービスが縮小される可能性はあるでしょう。エアライン系のクレジットカードについても、何らかのサービス変更はあるかもしれません。
ーー新型コロナの影響は、クレジットカードやエアラインのサービスに、まだまだ影響しそうだ。次回は、今年のカードトレンドについて予測する。