付帯特典が使えないプレミアム系カードは
いったん整理することも要検討
本稿を執筆中の1月下旬、コロナ禍は一向に収まらず、首都圏をはじめとする11都府県で緊急事態宣言が実施されています。他の地域も決して状況は楽観できず、多くの人が外出自粛などを余儀なくされているでしょう。
これに伴い、空港ラウンジなど、プレミアム系クレジットカードの特典を使うことができず、持て余しているホルダーもいると思います。前回お伝えしましたが、大幅な需要減で苦境に立たされるエラライン系のクレジットカードでは、サービスの縮小も発表されました。かつてはインビテーション制だったプラチナカードも、いまは申込制がほとんどです。コストに見合わないならいったん解約し、再び景気が元に戻り付帯特典が必要になった時点でホルダーになることも考えられます。
そうした際は、自身に必要なサービスは何か見極め、カードを取捨選択することも求められます。現状はトラベル系の特典を使う機会は減ったとしても、ビジネス系で必要とするサービスがあるのなら、当然ながら持ち続ける、もしくは既存のカードを入れ替えて新たに保有することも検討できるでしょう。例えば「ラグジュアリーカード」のゴールドビジネスカードの会員は、個人・法人を問わずラグジュアリーカードの会員に対して、自社のサービス・商品を紹介することができる、「ラグジュアリーカードオーナーズコミュニティ」を使うことができます。
「アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カード」なら、一般的なプラチナカードの特典だけではなく、会計ソフトとの連携や秘書のようなサービスが用意されています。「ダイナースクラブ ビジネスカード」も同様で、ビジネスに活用できる優待加盟店のプログラムがあるなど、そのカードならではの特典はたくさんあります。これらを比較したうえで、必要なサービスを提供するカードを手元に残しておきましょう。
一方、今後気になるは自動車系のクレジットカードです。コロナ禍では密を避けたいといった理由で、マイカー利用が増えたそうです。レンタカーだと不安というドライバーもいて、新車・中古車の需要が増大したというニュースもあるほどです。私も電車は控え、車で出かける頻度が増えました。
このように、自動車の利用が広がれば、自動車メーカー系のクレジットカードのホルダーは増えるかもしれません。トヨタであれば「TS CUBIC CARD」、スバルなら「スバルカード」、日産には「日産カード」や「NISMO CARD」があります。いずれも、自社ディーラーでの車検・整備費用の割引やポイントアップなどのサービスが特徴のようです。トヨタの「レクサスカード」なら、プレミアム系クレジットカードと同等のトラベル・グルメ特典やイベントの開催、ドライブやライフスタイルのサポート特典もあります。これまでは、移動や旅行というとエアライン系のクレジットカードが注目されていましたが、新たな動きが出てくるかもしれません。