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カード会社・金融機関のポイント活用 1/3 

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は、金融機関のポイント活用を取り上げる。−−− 
 
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エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回はZホールディングスとLINEの経営統合による、LINE PayとPayPayの統合に触れました。第1ステップとして、PayPay加盟店でLINE Payが使えるようになり、今後はポイントシステムやロイヤリティプログラムの一本化も控えています。詳細がわかり次第、お伝えしましょう。

共通ポイントやクレジットカードのポイントを使ったポイント投資は昨今のトレンドで、これにより若年層の投資は増えているようです。ポイントの使い道に悩む人にとっても便利なサービスですから、新たなサービスが登場したら取り上げたいと思います。

金融機関のポイント活用が加速
銀行取引で付与されるケースも

コード決済など金融分野で存在感を増すソフトバンク系のPayPayですが、4月5日にはジャパンネット銀行がPayPay銀行に社名を変更し、営業を始めました。PayPayなどZホールディングスとの連携を強化し、「スマホで日本一使われる銀行」を目指すといいます。

特徴的なのは、キャッシュカードを使わずATMが利用できる「スマホATM」のサービスを提供したことです。これは、PayPay銀行アプリを使ってセブン銀行ATMで入出金やカードローンの借り入れ・返済ができるというもの。振り込みもアプリ上で行うことができ、口座残高や明細もアプリで確認します。カード番号の確認や変更にも対応するので、主な取引はスマホで完結します。なお、アプリで入出金はできませんが、イオン銀行やローソン銀行、E-net、ゆうちょ銀行のATMとも提携しています。

入出金手数料は、利用金額3万円以上ならいつでも0円、3万円未満ならゆうちょ銀行が330円、それ以外は165円です。なお、毎月最初の1回は入金も出金も0円です。PayPayをはじめ、各種キャッシュレス決済にも対応しています。PayPay残高への入出金がいつでも・何回でも手数料0円なので、同サービスのユーザーにとって便利かもしれません。

さらに気なるのはポイントとの連携です。現状(4月下旬時点)で発表はありませんが、例えば銀行取引でPayPayボーナスを付与するといったサービスは考えられます。さらなる充実を期待したいところです。

競合他社は金融とポイントの連携を加速させています。以前も触れましたが、三菱UFJ銀行は6月13日より、スーパー普通預金においてPontaを導入しますし、りそな銀行も給与・年金の受け取り、積立定期に預入など一定の取引があるとポイントが貯まり、たまったポイントはTポイントや楽天ポイント、nanacoポイントなどに交換できます。

楽天銀行は「ハッピープログラム」にエントリーすると、取引ごとに楽天ポイントが貯まり、これを振込手数料に利用できます。新生銀行の「新生ポイントプログラム」の場合、毎月のエントリーやログイン、振込入金、金融商品の取引などで、Tポイント、dポイント、nananoポイントのどれかをためることが可能です。

ローソン銀行のクレジットカードとPonta会員証が一緒になった「ローソン Ponta プラス」は、ローソンやMastercardの加盟店でカードを使うとPontaポイントが付与。セブン銀行は給与・賞与の振込先に使うと初回のみnananoを500ポイント付与、JCB加盟店でデビット払いをすると1回1ポイント(月上限1回)、デビット利用金額の0.5%がたまります。このように、独自のポイントプログラムを導入する金融機関は多く、メガバンクやネットバンク以外に、地方銀行でも珍しくありません。

−−−いまや、金融機関のポイント活用は当たり前。取引をするだけで付与されるので、銀行選びの基準にもなるだろう。次回も引き続き、さまざまな取り組みを紹介しよう。

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菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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