ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月最後は、鉄道会社が始めた新たなサービスの内容をお伝えする。(1/3から読む)−−−
東武鉄道がアプリ利用者に対して
小児通学定期券を実質無料化
電車通学をするお子さんがいる家庭にとって、定期代は必要不可欠な出費です。こうした実情に対して、東武鉄道は「TOBU POINT子育て応援プログラム」を始めました。
同サービスは、小児通学的券代を全額ポイントバックにすることで、実質無料化にするというもの。「TOBU POINTアプリ」に登録し、期間中にエントリーを申請し(すでに終了)、東武カードで東武線小児通学定期券を購入すると、購入した東武線区間の定期代相当を「TOBU POINT(トブポ)」で還元します。また、期間中にエントリーし(すでに終了)東武カードで東武線定期券を購入した人を対象に、夏休み・冬休み・春休みの期間中、小児と同一区間を乗車すると、東武線内の小児運賃相当分を「トブポ」で付与します。
大人に比べると安いとはいえ、通学定期券代をポイントバックするのは大胆な試みです。推察するに、電車通学をするお子さんは「お受験家庭」のケースは多く、経済的にも恵まれているケースがほとんど。そういった層に、東武沿線に住んでほしいという考えがあるのかもしれません。ここで紹介したプログラムのエントリー期間はすでに終了しましたが、再開を心待ちにしたいものです。
小児を対象としたサービスは、小田急電鉄も始めています。同社では今年3月12日から、「小児IC運賃の全区間一律50円」を開始。あわせて小児用の通学定期券は全区間一律1か月800円にし、箱根フリーパスなどの企画乗車券の料金も小田急線内分を引き下げました(一部商品を除く)。
例えば、小児用通学定期券。1か月であれば改定前は最安区間820円、最高区間3820円だったのが、先述したように一律800円。2か月なら改定前は最安区間2340円、最高区間1万890円だったのが、改定後は2280円になりました。3か月分にいたっては、改定前は最安区間4430円、最高区間2万630円が、改定後には一律4320円です。これは、非常にインパクトのある変更と言えます。
人口減や少子化が加速するなか、鉄道各社にとって沿線住民の確保は、自社の将来を左右する大きな問題です。大人に比べて安い小児用の運賃を引き下げることで、ファミリーを呼び込むという戦略は、今後も広がっていく可能性があります。こういった情報も、今後はお伝えできればと思います。