ナンバーレスカードの普及が加速
個人情報の管理はアプリが主流へ
2022年はナンバーレスを始め、券面に記載する個人情報の扱いが大きく変わりました。いまや、氏名やカード番号・セキュリティコードは裏面に記載するのが主流で、なかにはカードに一切載せずアプリで管理するタイプも増えました。
この分野では三井住友カードなどが先行していましたが、11月からはJCBもオリジナルシリーズで同様の取り組みを始めています。カードの表面にはJCBのロゴと「JCB ORIGINAL SERIES」の印字、ICチップがあるくらいで、裏面には氏名が記載されています。前々回に取り上げたメルカードに近いデザインといっていいでしょう。なお、裏面には「MyJCBアプリ」でしか読み取ることができない、セキュアなQRコードを搭載し、ここからカード情報などをチェックすることができます。他のカードだとSMS認証が必要だったりするので、これは便利な機能だと思います。ネットショッピングをよく使う人のために、裏面に番号があるタイプを申込時に選択することもできるようです。
マルイ系のエポスカードは、裏面にカード番号が印字されていますが、アプリでもカード番号と氏名が確認でき、かつコピー&ペーストもできるサービスを開始しました。インターネットで買い物する時はわざわざカードを出す必要がなく、利便性ばかりではなく個人情報の盗み見などを防ぐ効果も期待できるでしょう。
さらに、先ほど挙げた三井住友カードでは、より安心にカードが使えるよう、カード裏面からサインパネル(署名欄)をなくした「サインパネルレス」のカードも登場しています。従来、サインパネルは磁気読み取りによるカード利用時の本人確認のため必要とされていましたが、近年はICカードが普及し店頭では暗証番号により本人確認をするケースがほとんど。タッチ決済では暗証番号や署名自体が不要です。こうした背景から、カード番号・有効期限などの情報に加え、サインパネルも券面からなくしたわけです。
このように、クレジットカードでは個人情報の扱いが大きく変わりつつあり、同様の取り組みは他のカードでも広がっていくでしょう。
−−−プレミアム系クレジットカードでは、単にカードを持つのではなく、より使う顧客に対する手厚いサービスを強化する方針。セキュリティの在り方も大きく変わっていくだろう。次回は不正利用対策の最新動向にも言及する。