菊地崇仁ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。前回に引き続き、プレミアム系クレジットカードの取り組みを紹介する。（1/3から読む）−−−
リカレントが注目されるなか、
学びや体験系のイベントを開催
高齢会社会の進展や人生100年時代のキーワードのもと、社会に出た後も必要なタイミングで教育を受け、仕事と学びを繰り返す「リカレント教育」が注目されています。社会人向けにリカレント教育を実施する大学や、これに特化したウェブコンテンツも増えました。
こうしたなか、ダイナースクラブカードは、今年6月から「ダイナースクラブ カルチャーラボ」の第4期を開催しています。
同ラボは「学び」「体験」「出会い」の場として、一流の講師による講義や大使館でのイベントなど、えりすぐりの講座を案内するもの。今回はエチオピアの文化・観光名所の紹介、同国発祥のおもてなし文化であるコーヒーセレモニーの体験ができる「大使館を訪ねてシリーズ『エチオピア大使館』」や、写真家の霧島ローランド氏から写真撮影テクニックを学ぶ講座、美容家の小林ひろ美氏による最先端のコスメ体験などが用意されています。
本イベントは定期的に開催されていて、今年10月には第5期も行われる予定です。大人の知的好奇心を刺激する内容となり、学びや体験の機会を得たい人にとって、魅力的ではないでしょうか。
一方、JCBザ・クラスは、本会員・家族会員向けに一休comダイヤモンド会員体験サービスを始めました。同サイトはラグジュアリーホテルや高級旅館の予約、ハイクラスのレストランを予約できるサービスとしてその地位を確立し、会員に対して割引に使えるポイント還元や会員限定のプログラムを用意。6か月間の利用金額に応じてレギュラーからダイヤモンドまで4つの会員ステイタスがあり、最上位のダイヤモンド会員の場合は高還元のポイント付与や部屋のアップグレード、レイトチェックアウトといった特典を提供しています。
今回の特典は、専用ページから必要情報を入力すると、即日でダイヤモンド会員になれるというものです。9月までに登録すると翌年3月まで、10月～翌年3月までなら同年9月末までサービスを利用で、その後は過去6か月間に利用状況に応じたステイタスに切り替わります。
JCBは、国内旅行の需要が高まり、制約のない旅が広がるなか、クラス会員に上質で充実した宿泊や食事を楽しむ場を提供したいと考え、このサービスを始めたと述べています。ザ・クラスの会員に対しては、オリジナルの宿泊プランや人気のホテル・旅館の優待サービス「JCBプレミアムステイプラン」も用意していますが、外部サービスと提携することで、選択の幅を広げ会員満足度の向上につなげる狙いもあるでしょう。
同様の特典はダイナースクラブ プレミアムカードにもあり、こちらの場合は一休.comのダイヤモンド会員が永年で適用されます。いずれにしても、プレミアム系クレジットカードはポイント還元だけではなく、体験系の特典に力を入れていて、グルメやトラベルはその最たるもの。旅行や外食需要が戻ってきたからこそ、これらの特典はますます充実していくかもしれません。
−−−充実が進む、プレミアム系クレジットカードの体験系の特典。今後の展開にも期待したい。次回、6月最後はビジネスに特化したクレジットカードの動向を紹介する。
菊地 崇仁 (きくち たかひと)
株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社（現NTT東日本）入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド（インプレス）」他。
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