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プレミアム系クレジットカードの環境変化 1/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今回はプレミアム系クレジットカードを取り巻く環境の変化をテーマに話を掘り下げていく。−−−

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エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、アメックスがビジネスカード会員向けに始めた「ビジネス・マッチング」について取り上げました。その名の通り、会員限定のコミュニティを通じた商談相手の発掘などが主なサービスで、自社の製品・サービスのPRに使うこともできます。同様のサービスは「ラグジュアリーカード」が先行しており、ビジネスオーナーが多いクレジットカードだからこそ、こういったニーズがあるのでしょう。

各社プラチナカードが会員向けに開催したイベントやスポーツ観戦も私の実体験を交えながら取り上げました。近年は体験系の特典がますます充実していて、こういった施策がホルダーをつなぎとめる要因になりつつあります。レアなサービスやイベントについて、今後も本連載で紹介したいと思います。

アメックスがプラチナ・カード、
ビジネス・プラチナをリニューアル

今回最初のトピックは、アメックス関連です。同社は9月13日より、個人向けの「プラチナ・カード」、中小企業経営者・個人事業者向けの「ビジネス・プラチナ・カード」をリニューアル。特典を充実させるとともに、年会費を従来の14万3000円から2万2000円引き上げ、16万5000円に改定しました。ちなみにカードはメタル仕様で、タッチ決済に対応するとのこと。プラスチック製のセカンドカードも発行します。

主なリニューアル内容について。両カードに共通するのは毎年更新時に進呈される、トラベルクレジットです。アメリカン・エキスプレス・トラベル・オンラインで4万円以上のホテル予約時に使える2万円分のクレジットがプレゼントされ、これはファイン・ホテル・アンド・リゾートを予約する時にも使えます。

個人カードとビジネス・プラチナ・カードで異なる点は、次の通りです。
前者の場合、事前登録のうえ対象レストランでプラチナ・カードを使うと毎回20%、年間最大4万円、対象のラグジュアリーブランドでカードを利用すると毎回20%、年間最大3万円をキャッシュバック。こちらも要事前登録ですが、DAZN、Huluなどの対象サービスをカードで支払うと毎回20%、年間最大1万2000円をキャッシュバックする「デジタル・エンタテインメント・キャッシュバック」も付帯します。

一方、ビジネス・プラチナ・カードでは、請求管理の「ROBOT PAYMENT」の特典が追加されることに。同サービスの導入時に30万円が支援され、「決済システム連携オプション費用」「クレジットカード決済システム利用料(ともに月額2万円)も無料になります。Google広告やMeta広告、Adobe等の支払いで半年ごとに累計20万円以上カードを使うと、1万5000円のキャッシュバックも適用されます。他にも、カード継続特典としてシェアオフィスやコワーキングスペースが年10回無料で使えるクーポンが付与され、年間最高200万円を保証する「ビジネス・サイバー・プロテクション」も付帯します。

このように、個人カードでは従来の空港やホテルなどの旅行だけではなく、食事や買い物、デジタルサービス関連、ビジネス・カードでは業務をサポートする特典が充実した格好です。コスト面での恩恵も多数見受けられ、使いようによっては年会費引き上げ以上のメリットや期待できます。

一方、追加された特典はキャッシュバック関連がほとんどで、これらを利用しない会員にとっては、あまりメリットを感じないかもしれません。例えば、人気の飲食店などが優先的に予約できるなど、そのカードならではの特典がより充実すると、満足度はさらに高まるでしょう。

−−−特典内容を大幅にリニューアルした、アメックスの上級カード。ビジネス用とプライベート用と、各カードの特徴が明確になった格好だ。次回は、一部プレミアム系クレジットカードで始まった国税などの支払いに対するポイント付与ルールの変更について解説する。

菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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