ポイ探・菊地崇仁氏による、クレジットカードを使いこなすテクニックを紹介する本連載企画。今回は航空がテーマに話を進めてきたが、締めくくりとなる今回は、「ステイタスマッチ」について触れておこう。
他の航空会社・加盟航空会社で特典を得るには?
今回は、航空会社を通じて、各社が加盟する航空連合についても触れてきました。デルタ航空であればスカイチーム、ANAはスターアライアンス、JALはワンワールドに加盟しているのですが、各社の上級会員になれば、これら航空連合の上級会員にもなれ、加盟航空会社でも様々な特典が得られるというわけです。
そこで気になるのは、スカイチームの上級会員はスターアライアンスやワンワールドの優待特典を受けられるかということ。まあ、異なるチームですからムリと考えるのが一般的なのですが…じつは可能にすることができるのが、「ステイタスマッチ」です。
ステイタスマッチとは、他の航空会社の上級会員を対象に、自社の上級会員資格を無償で与えるというサービス。要は、競合グループの上級会員に対して「試しにこっちも使ってください」という特別資格を提供してくれるのです。仮にサービス内容がハイレベルであれば乗り換えてくれるかもしれないという狙いがあるのでしょう。
ですから、ご自身が持つカードに付帯する航空会社やチーム以外を利用する場合も、ハイクラスのもてなしを受けられる可能性はあるわけで、これを試してみる価値は大アリ。もちろん、エアライン各社によって対応は異なるので、必ずしも適用されると限りませんが、予約の際の交渉材料に使ってみるという手もあります。強引な裏ワザかもしれませんが、これも上級会員になれる資格を有する、エグゼクティブに許されるメリットと捉えればいいのではないでしょうか。
ちなみに、このステイタスマッチ、ホテルでも適用されることがありますから、あるホテルグループの上級会員なら、交渉次第で他のグループでも同等の扱いを受けられるケースがあります。
プライオリティ・パスをリーズナブルに持ちたいなら
とはいえ、スタンダード会員で年99米ドル、スタンダード・プラス会員で年249米ドル、プレステージ会員だと年399米ドルの費用が生じます。
そこで便利なのが、プライオリティ・パスの無料利用が付帯するクレジットカードを持つことです。さすがに年会費無料のクレジットカードに、こういったサービスは付帯しませんが、なかにはサブ向けのリーズナブルなカードで特典が得られます。
ただし、別途申し込みが必要なので注意してください。しかも、同伴者は有料扱いになります。もし、同伴者が常にいるようなら、さらに上級で年会費3万円(税抜き)の楽天ブラックカードがあり、同伴者2名までが無料になります。
あるいは、ブラック・プレミアムカードにこだわるなら、アメックス・プラチナは先に紹介した通り、プライオリティ・パスが付帯。また、SBIワールドやスルガ銀行が提供するインフィニットカードなら、同伴者数は無制限。プライオリティ・パスを重視するというなら、こういった選択肢もあるでしょう。
他の航空会社や航空グループでも上級会員と同等のサービスが受けられる、ステイタスマッチは、ちょっとした裏ワザのようなもの。機会があれば活用してみればいい。とにかく、奥が深い航空系のサービス。自身が持つカードのサービス内容をもう一度チェックして、その価値を最大限に見出していただきたい。あるいは、足りないサービスがあるなら、サブカードの保有を検討してみてはいかがだろうか。
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