資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。5月のテーマはスリランカ不動産投資で、現地に何度も赴きプロジェクトを進めているFPコミュニケーションズの浦田健氏と対談。今後の可能性に話題は及んだ。
圧倒的に足りない住宅需要。だからこそチャンスがある
内藤 まさに成長過程にあるスリランカですが、不動産投資の点ではいかがでしょうか。
浦田 中韓、さらにインドの不動産会社はすでに進出を始めていて、海外富裕層向けの開発を進めています。一方で、地元のマーケットのニーズを満たすような供給は見られません。
内藤 そうすれば、高い住宅ニーズは見込めるということですよね。
現状では、親子3世代で暮らす家庭が多く、核家族化は進んでいるものの、ワンルームマンションは極めて少なく、住む場所がないといった状況。デベロッパーの数も少なく、課題の解決はこれからですね。
内藤 しかしながら、投資の観点に立つと、これからに期待できるということになります。手つかずだということは、先行者メリットがあるでしょうから。
浦田 注目したいのは、最大都市のコロンボ。広さは山手線内側の半分ほどで、人口は約80万人、都市圏人口は約200万人です。CBDはコロンボ港のある01地区、海岸沿いの03地区、内陸約4㎞にあるベースラインロード駅を頂点とする三角S帯(ゴールデントライアングル)なのですが、建物は中高層ビルが主。超高層ビルは証券市場が入るワールド・トレード・センター(高さ152m)が目立つくらい。街並みは20~30年前の北京やジャカルタに近いと思います。商店はありますが、現代的なモールやコンビニはなく、ブランドショップもないことから、富裕層が消費する場所も足りていません。ホテルやSA(サービスアパートメント)とも不足していて、これに着目したハイアットやシャングリラといったグローバルホテルグループは、現在CBDの海岸沿いにホテルを開発しています。