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スリランカ不動産投資 vol.4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。5月はスリランカ不動産をテーマに対談を進めてきたが、締めくくりとなる今回は、具体的な投資手段について話を掘り下げた。

住宅やホテルなど、幅広い投資手段が考えられる

エンリッチ 内藤忍 スリランカ

内藤 浦田さんはスリランカで、どういった物件に可能性があると考えているのでしょうか。

浦田 海外の富裕層向けの高級コンドミニアムはすでに開発が始まっていますが、価格が高すぎると考えています。それよりは、ローカル向けの住宅など、現地のニーズを満たす物件が良いのではないでしょうか。実際、供給はまったく追い付いていませんから。リゾートエリアにブティックホテルやバンガローを作らないかという投資話も多いのですが、そこに興味はありません。

内藤 なぜでしょうか。

浦田 スリランカは年中温暖な気候なのですが、雨季があることから観光シーズンがハッキリしています。以前、ビーチリゾートで1泊2万5000円もする高級ホテルに滞在したのですが、オフシーズンだったこともあり、宿泊客はわずか2組程度。シーズン中は100%近い稼働率があったとしても、これでは収益が期待できません。それよりは、コロンボを含む都市部で住宅に投資したほうが確実です。

内藤 外国人を含むスリランカの非居住者が不動産を購入する場合の規制はあるのでしょうか。

浦田 コンドミニアムなら5階以上は購入可能で、所有権も認められます。一方で土地を取得する場合は、スリランカ資本51%・外国人資本49%の合弁会社を設立しなければなりません。なお、物件の購入費用は基本的にキャッシュ。ローンがほぼなく、あったとしても金利が8%と高いので、現実的に融資は厳しいと考えたほうがいいでしょう。

内藤 浦田さんは現在、現地法人の設立を進めているそうですね。

浦田 はい。現状では買いたい物件がなく、むしろ自分が投資したいと思えるような物件を作りたいと考えていて、デベロッパーとして取り組む予定です。土地を仕入れるか、現地の地主さんとJVでやろうかと計画しています。

内藤 用地の取得は容易にできるのでしょうか。

浦田 前提として、スリランカには不動産価格の高騰が予想されているので、現地の富裕層は不動産開発を望んでいます。ところが、有力なデベロッパーが少ないため、多くの土地が留め置かれている状態です。なお、中韓企業が進出していることからもわかるように、海外企業による不動産開発は認められていて、不動産法制は英米法に基づいています。外国企業もBOI(投資委員会)に認定されれば所有権取得が可能です。

内藤忍

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