金田 おっしゃる通りで、地方都市であれば割安の収益物件を見つけることは不可能でありません。
理由は2点あります。1点目は、地方都市の所有者はご高齢の方が所有している事が多く、主に相続を理由に資産処分することがあります。このような場合、「高い値段で売りたい」よりも「早く確実に処分したい」になる傾向が高いですね。
2点目は、周辺の成約事例が少ない為、価格決定要因に欠けることにより割安に取得することが可能になります。例えば、空室が多い物件、大規模修繕を行っていない物件等は価格決定における査定が難しく優位に交渉を進められますね。
内藤 資産家であれば潤沢なキャッシュを背景に物件を手に入れることができますが、多くは、勤務先など会社の信用力をバックに銀行から資金を借り、投資するというのが一般的です。物件の評価額が1億円、かつ同額の融資を受けられるなら手出しは諸経費で済みますが、果たしてそれができるかどうか。さらに、物件を買って毎月の収支がどのくらいプラスになるのか。資金を借りても利回りが悪く、返済だけで手一杯になることもあるでしょうし、物件のスペックはもちろん、資金調達も考慮して進める必要がありそうですね。
金田 同じ物件でも融資の組み方、自己資金の投入割合によってキャッシュフローが大きく変わってきます。また、投資家の皆さんは一棟のみで終わるわけではなく次の物件も購入される方が多いので、顧客の資産背景によって利用する銀行、自己資金の投入バランスが非常に大切になるでしょうね。
―――リーマンショック以降の底打ちから物件価格は回復。投資家層にも厚みが出てきた、国内中古1棟不動産投資。都心部よりも地方都市にチャンスがあるという。さらに次回は、この物件タイプに投資するメリットについて探っていこう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
金田大介(かなだ・だいすけ)
1982年生まれ、愛知県出身。
一棟収益物件に特化した東京都内不動産会社の執行役員。
業界歴は約10年、年間取引は30件45億円にのぼる。
宅地建物取引主任士
不動産コンサルティングマスター(公認)
ファイナンシャルプランナー(AFP認定会員)
法人(不動産ファンド、一般法人等)の売買取引に従事し、リーマンショック以降はサラリーマン投資家向け収益不動産の市場へ参入に現在に至る。
「負けない投資」をモットーに不動産投資の安定性、収益性、資産価値を顧客の将来設計に沿ってプランニングから実行・達成へと導く。
一般市場に出ていない【川上】の情報仕入ルートに強みを持ち顧客からのリピート購入率は70%を超える。