資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。7月は「香港における資産運用」がテーマ。お迎えするのは、内藤氏がマネックス証券に勤務していた当時の上司、マネックスグループ常務執行役員・マネックス証券常務執行役員を務めた経歴の持ち主である、中島努氏。
現在は、香港の銀行「Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank(日本ウェルス香港銀行:NWB)」で取締役兼CEOに就いている。いま、資産運用のホットスポットとして、香港が注目を集めているというが――。
香港で51年ぶりに設立されたローカルバンク
内藤 中島さんは、私がマネックス証券時代に大変お世話になりました。現在は香港に移り、「Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank(日本ウェルス銀行:NWB)」の取締役兼CEOとしてご活躍なさっているとお聞きしました。この度は、一時帰国のご多忙ななか、お時間をいただき誠にありがとうございます。
中島 内藤さんとは高校・大学も同じで、先輩・後輩の間柄。ともに長期信用銀行系出身でマネックス証券というのも同じ。何かとご縁がありますね(笑)。
内藤 NWBは5月11日から開業したそうですが、それまでの経緯はいかがでしたか。
中島 私は2013年6月にマネックスグループ常務執行役員並びにマネックス証券常務執行役員を退任しました。その後NWBの取締役兼COOを務める長谷川建一氏とともに、香港で個人向け資産運用サービスの提供を予定して銀行開業準備を進めてまいり、今年4月には香港の銀行監督官庁である「the Hong Kong Monetary Authority(HKMA)から、リストリクティッド・ライセンス・バンクの免許を取得、5月にNWBを開業するに至りました。
内藤 NWBは香港のライセンスに基づいた、現地の銀行だということ。香港で設立される銀行としては、海外銀行の支店・現地法人を除き、51年ぶりの免許交付だそうですね。