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スリランカホテル不動産投資 Vol.1

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。11月のテーマは、スリランカの“ホテル”を対象とした不動産投資だ。対談のお相手は、5月にご登場いただいた、FPコミュニケーションズの浦田健氏。ついに、プロジェクトがスタートするという。

スリランカ2

スリランカで外国人投資家向け
高級コンドミニアムはミスマッチ?

内藤 浦田さん、本日はよろしくお願いします。5月には、スリランカを取り巻く経済情勢、不動産投資市場についてお話を伺いました(詳しくは、『スリランカ不動産投資』を参照)。あれから半年が経ちましたが、環境に変化はありましたか。

浦田 再び対談のご機会をいただき、ありがとうございます。スリランカですが、2009年に内戦が終結したことに伴い政治は安定し、急速に経済発展しているという状況に変わりはありません。GDP成長率は7%台と好調そのもの。中国やインドからの投資でインフラ整備が進み、首都コロンボ周辺ではローカル向けの住居が200万戸も不足しています。8つの世界遺産があることから観光客は毎年20%の割合で増え続け、ビジネス需要も高まっています。

内藤 コロンボで不動産投資のリサーチを始めてから、15か月になるそうですが、何か収穫は得られたのでしょうか。

浦田 ひとつの結論に辿りついたところです。私はコロンボに来て、初めは個人投資家に紹介できる物件を探してきました。当初は、ASEAN地域のように、高級コンドミニアムが適していると考えていたのですが、現地を目の当たりにすると、これは違うのかもしれないと実感しました。

前回もお話ししましたが、コロンボ周辺の住宅開発は遅れていて、ローカル向けの家はまったく足りていません。スリランカ国民は核家族化しておらず、3世代同居も当たり前、都心に1~2時間かけてすし詰めの電車で通勤するというのが日常の光景です。優良で質が高く安価なコンドミニアムを開発して日本人をはじめとする外国人投資家に販売するのは、狙い目と目論んでいました。

ところが、海外のコンドミニアムの多くはスケルトン渡しで、投資家は200万~300万円をかけて内装を工事するという手間がかかり、割高になるという側面も……。外国人投資家は現地に頻繁に足を運ぶこともできないというデメリットも生じます。さらに新興国の場合、一気に500~1000戸と膨大な数が供給されますから、駐在員、ローカルに関わらず客付けに1~2年要することも珍しくありません。マレーシアなんて、まさにそういった状況です。

また、高級コンドミニアムだと、入居対象は、月1500ドル~2000ドルを払うことができる駐在員がメイン。こういった物件が多くなることで全体相場が高くなると、住宅に困っている所得水準が低いローカルの人は手が出せなくなります。それに、彼らが必要としているのは賃貸物件ではなく、実需向けのマイホームです。

内藤忍

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