和田 おっしゃる通り、カナダは、オイルや天然ガス、ウランやカリといった鉱物資源に恵まれた国です。硫黄、高純度カリ、高純度ウランの算出、天然ガスの埋蔵量は世界1位、石油の埋蔵量は世界3位、米国へのエネルギー供給量も世界トップで、こういった資源産業により富がもたらされ、カナダの小売市場に大きな消費を生み出しています。G7のなかで人口増加率もトップを誇っています。いうなれば、先進国にも関わらず、新興国並みの成長力があるということです。
内藤 カナダ国債はトリプルAで安定していて、鉱物資源だけではなく、農産物の生産にも長けています。通貨はカナダドルで、米ドルに比べて日本人に馴染みにはないかもしれません。資源国通貨に準じるので、原油価格の下落などコモディティの価格が下がることで資源輸出による実入りが悪くなり、通貨が弱含むというリスクはあるでしょうね。
しかしながら、オセアニアや新興国ほどでもなく、地理・経済的な結びつきの深い、アメリカの影響を受けます。近年は米経済が好調なことから、カナダ経済もその恩恵を受けているようです。ちなみに、カナダといえば、バンクーバーやトロントといった都市が有名ですが、『ReDev Properties Ltd』でも、こういったエリアの物件を紹介しているのでしょうか?
和田 いいえ。同社が注目しているのは、内陸部にある、アルバータ州とサスカチュワン洲のふたつ。両州にあるショッピングプラザを投資家向けに販売しています。
—資源国として知られるカナダは、政治・経済・金融分野でも安定した国家。なかでも、アルバータ州とサスカチュワン州が、商業施設の不動産投資エリアとして有望だという。その理由について、次回は迫っていこう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
和田 江美子(わだ えみこ)
RLosenberg Consulting会社(米国)Global Manager
ReDev Properties Ltd. 顧問・コンサルタント
上海東華大学付属Raffles Design Institute 卒業後、東京と香港に拠点に置く日系商社にて海外事業開拓を担当。2014年より、シカゴ・マーカンタイル取引所にて会長を40年以上務めた、ローレンス ローゼンバーグが代表を務める『エルローゼンバーグコンサルタント会社(米国)』のグローバルマネージャーに就任。海外金融機関および個人投資家に対する日本市場コンサルティング、海外法人の日本市場開拓支援や、日本人の海外資産運用コンサルティングも手がける。