内藤忍資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。12月は『エルローゼンバーグコンサルタント社』のグローバルマネージャー、和田江美子さんをお招きして、カナダの商業施設投資をテーマに対談を行ってきた。今回は締めくくりということで、これまでの話をまとめよう。
賃料収入とキャピタルゲインを
同時に狙っていく不動産投資
内藤 優良なテナントが入居する商業施設に投資するという「アームチェアオーナーシップ」は、オーナーに手間がかからずに安定した賃料収入が期待できるとわかりました。ご紹介いただいた、パリセーズショッピングプラザは、それに該当するというわけですね。
和田 運営管理は『ReDev Properties Ltd』、および実績の高い管理会社が手がけますから、購入後にオーナーは殆ど手間がかかりません。しかも、パリセーズショッピングプラザの場合、5万カナダドル（約450万円）から投資ができ、初期費用は物件登録時に弁護士に支払う500カナダドルだけです。
内藤 カナダでコンドミニアム投資をするとすれば、1部屋2000万～3000万円はかかるでしょうから、非常にローコストですね。ただし、気になるのは物件の売却について。大規模な商業施設ですし、複数の投資家が共有するわけですから、スムーズに出口を辿ることはできるのでしょうか。
和田 そもそも、『ReDev Properties Ltd』では各ショッピングプラザの運営期間を5～7年程度とし、実際の過去実績は、平均5～7年程度で売却されています。ショッピングプラザの売却決定は投資オーナーの3分の2以上の承認が得ないと実行できませんが、各オーナーの所有する不動産持分権は、オーナーの自由なタイミングと価格で他者に転売交渉できます。パリセーズショッピングプラザですと、オーナーはテナントの賃料収入からのネットキャッシュフローを6カ月ごと（毎年4月と10月）に受け取り、物件売却時にキャピタルゲインも受け取るという仕組みで、キャピタルゲインを含む年間平均投資還元利回りは12～18％を予測しています。
内藤 海外不動産投資といえばコンドミニアムが主流で、こういったスタイルは珍しいと思います。小額で始められますから、初心者でも比較的、安心して取り組めるでしょうね。プレビルド物件と異なり、購入すればすぐに賃料収入も得られますから、仮に日本でも投資物件を持っていたら、定期的に日本円とカナダドルという形でキャッシュフローが得られ、資産分散も実現します。和田さん、今回はユニークな投資手段をご紹介いただき、ありがとうございました。
和田 新しい不動産投資の形を知っていただけると幸いです。こちらこそ、ありがとうございました。
—テナントからの安定した賃料収入に加え、物件売却時にキャピタルゲインも狙うという、「アームチェアオーナーシップ」。「好立地＋商業物件の持分所有」という不動産投資で、資産運用の新たな手段を見いだすことができるのではないだろうか。
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内藤 忍（ないとう しのぶ）
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業（MBA）。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス（現マネックス証券株式会社）の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに１億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
和田 江美子（わだ えみこ）
RLosenberg Consulting会社(米国）Global Manager
ReDev Properties Ltd. 顧問・コンサルタント
上海東華大学付属Raffles Design Institute 卒業後、東京と香港に拠点に置く日系商社にて海外事業開拓を担当。2014年より、シカゴ・マーカンタイル取引所にて会長を40年以上務めた、ローレンス ローゼンバーグが代表を務める『エルローゼンバーグコンサルタント会社(米国)』のグローバルマネージャーに就任。海外金融機関および個人投資家に対する日本市場コンサルティング、海外法人の日本市場開拓支援や、日本人の海外資産運用コンサルティングも手がける。
