ギャラリーに注目するというのも、現代アートならでは。作家と一緒に大きくなればギャラリーの価値も上がりますから、オーナーは必死になって若手作家を売りだします。
三越にテナントを構えると銘菓扱いされるように、購入者も、どのギャラリーの作品なのかチェックするというわけです。世界的なギャラリーの注目アーティストの仲間入りをすれば、それこそ価値は跳ねあがるでしょう。しかも、株のように5%上昇というわけではなく、アートの場合はゼロふたつが一気に増えますから、それも醍醐味といったところ。
以前はまったく無名の売れない作家の5万円程度だった作品が、業界で注目されて600万円に化けるという事例もあるそうです。同じ作家の他の作品も釣られて価格は上がりますから、それこそ、有名になる前に目をつけておけば、計り知れない恩恵に預かれるかもしれません。現代アートには難解な面があり、どれが評価されるか見抜くことは簡単でありませんが、テーマ性があったり、奇抜だけれどもマスに訴えかける作品だと、人気が高まる傾向があるようです。
金融資産の運用とはまったく異質の世界ですが、ユニークなジャンルとして注目しています。
ーーー絵画など芸術作品に資金を投じて値上がりを待つ、現在アート投資。仮に価値は上昇しなくても、所有欲を満たすという側面もある。ユニークなジャンルではないだろうか。次回も引き続き、内藤氏が注目するトピックを紹介しよう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。