資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。「2016年新春特別編」の第3回目は、資産運用に直結する新たなテクノロジーについて紹介しよう。(Vol.1から読む)
「フィンテック」により、
資産運用のハードルは下がる
金融と人工知能やIT技術が融合した「フィンテック」も、注目のジャンルです。昨年の3月にゲストでお迎えした「お金のデザイン」が用いている「ロボアドバイザー」がまさにこれで、ファンドマネージャーが行っていた専門領域を、ロボットが代用するというものです。これにより、コスト削減や業務の効率化が図られ、投資家にもメリットがもたらされます。
「お金のデザイン」のサービスは、質問に答えるだけで顧客ニーズにマッチした投資ポートフォリオをロボットが導き出し、全世界のETFにアクセスするというサービスで、既存のラップ口座に比べると、格段のコスト安を実現しました。他の金融分野でもフィンテックの技術は今後も登場し、幅広くサービスが提供されていくと思います。
こういったトレンドが、既存の金融機関を脅かす存在となりつつあり、既得権益を奪われないようにフィンテック研究会を開くといった取り組みもなされているようです。ロボアドバイザーも、ファンドマネージャーより低コストで成績が良ければ普及は進み、彼らの仕事は奪われるかもしれません。もしかすると、人工知能を使ったトレードシステムが登場して、素人がプロさながらの取引ができる日が訪れる可能性も…。勝てるトレーダーの手法を手軽にマネできたら、誰もが使いたいと思うはずです。