例えば、ウラジオストックなど、ロシアの不動産。ルーブルは大幅に下落したので、物件価格はかつての半値くらいになっています。人がちゃんと住んでいて、需要がある良い物件なら賃貸が回り家賃収入は途切れず、ルーブルが上昇に転じると家賃収入も増えていきます。
マレーシアのジョホールバルも、2年前に行った時は、モデルルームに人が押し掛けコンドミニアムは完売状態でしたが、いまは若干落ち着いた感がありました。同国では外国人は、規制により100万リンギット(約3000万円)からしか不動産を買えませんが、特区だとそれ以下でも投資可能なので、そういったエリアで良い物件を探すという手もあります。リンギットは円高に振れているので、日本の投資家には安く買うチャンスと見ることもできます。5年~10年後には高速鉄道や地下鉄の開通も予想され、不動産の価値もそれに沿って上昇する可能性もあるでしょう。
このように今は弱含んでいる通貨やエリアであっても、逆張りの発想で投資に臨むという発想もあるということです。
資産運用の基本的な方針は2016年も変わりません。自分自身の資産の状況を把握して、「どうしたいのか」と問いかけること。そこで、現状と目標のギャップを明確にし、何の手段で埋めていくか考え、実践するのです。そのためバリエーションはたくさん用意されていますから、適切な対象を選び、資産運用を加速させていけば良いのです。
ーーー資産運用の道は一日にしてならず。しかしながら、適切な投資対象を選び資産を投じることで経験は積み重なり、スキルは高まっていくだろう。それをサポートするため、幅広い視点からマネー情報に触れていくので、今年もぜひお楽しみいただきたい。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。