内藤 ですが、日本とは住宅関連の法律が異なったり、国民性の違いもあるでしょうから、一筋縄でいかなかったのではないでしょうか。
池田 今日までは紆余曲折がありました。当初は戸建て住宅に取り組もうと考えたのですが、土地の売買契約をしようとしたところブローカーが間に入りうまくいかなかったり、ロシアにも建築基準法があるのですが、日によって解釈が変わりハッキリしないのです。これはハイリスクだと思い、戸建て事業は断念しました。
次に考えたのは、住宅のリフォームです。サハリンで米エクソンモービルが主体、日本の商社や道内の金融機関も参加している天然ガスのプロジェクトがあり、ここでは技術者とその家族が住む街が海外メーカーにより建設されていていました。現地には200戸ほど住宅がありましたが、屋内は寒く雨漏りもするということで、「日本のメーカーにリフォームしてほしい」という要望を受け、そこで当社に白羽の矢が刺さったのです。
ところが、エクソンモービルが巨大企業ということもあり、本国の許可などが遅々として進まず、我々からすると「いつ始まりいつ終わるかわからない…」と気が気でありません。結局のところ、このプロジェクトからは降りるのですが、「リフォームのニーズは高いかもしれない」というヒントにつながり、ならば、法律の縛りもなく、単独でできるマンションの内装工事を、ウラジオストクで始めることにしたのです。そして、この事業が思いの他、ヒットしました。
ーーー国内における住宅市場の縮小を機に、海外に打って出たロゴスホーム。二転三転するも、ウラジオストクで住宅のリフォームに手ごたえを感じたという。次回は、日本人に馴染みの薄い同地について解説しよう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
池田雄一(いけだ・ゆういち)
株式会社ロゴスホーム代表取締役
ハウスメーカー勤務を経て、2003年6月に北海道帯広市に同社を設立。戸建て住宅の新築、リフォーム、不動産事業を手がけ、現在は、道内に14店舗を構えるまでに成長。売上高50億円、従業員数170人。2014年からはロシアでのインフィル住宅施工事業、2015年からはフィリピンでの設計業務事業も始めている。
株式会社ロゴスホーム http://www.logoshome.jp/