内藤 仮に利回りが10%だとすると、単純計算で10年あれば初期投資分は回収できることになります。その後の出口戦略はどうなりますか?
池田 最終的には売却を検討いただきます。なお、ロシアの不動産価格は上昇基調にあり、新築よりも中古の方が価格は高くなる傾向です。というのも、スケルトンで引き渡される新築物件は工事代金が別途必要になるため、即入居できる良質な中古住宅が好まれるからです。これまでに、いくつか中古物件も扱ってきましたが、すぐに売れました。
内藤 不動産価格の上昇が期待でき、加えていまは原油安も影響して、空前のルーブル安という局面。さらに下がるかもしれませんが、この期間に実物資産に投資することで、将来的にルーブルが回復すると、為替差益も発生します。家賃は米ドルで得られますから、仮にルーブルが下落しても、リスクヘッジは可能です。
池田 一昨年までは1ルーブル=3円だったのが、いまは1.5円と半値水準までルーブル安が進んでいます。今回の物件も、当時のレートなら日本円で7000万円もしたわけですが、下落したことにより、手に入りやすくなったわけです。我々としても、不動産の値上がり、為替の両方でメリットを得ていただきたいと考えています。
内藤 新興国に3000万円の物件を買うとなると高額な印象ですが、先述の通り、実物資産はルーブル、家賃収入は米ドルというようにリスクヘッジができるのはメリットです。ウラジオストクに飛び、現地を見て確かめるのは悪くありません。
池田 日本でも定期的にセミナーを行い、現地視察ツアーも開催しています。
内藤 とても、ユニークな不動産投資だと思います。池田さん、本日はありがとうございました。
池田 こちらこそ、ありがとうございます。
ーーー新築マンションの内装を手がけ、賃借人も付けたうえで投資家に販売するという、ロゴスホームのロシア不動産投資事業。これまでに、ウラジオストクで実績を積んだからこそ実現したビジネスモデルだ。日本人にはあまり馴染みのないエリアだが、経済環境も悪くない。新たな投資先として注目を集めるのも遠くはないだろう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
池田雄一(いけだ・ゆういち)
株式会社ロゴスホーム代表取締役
ハウスメーカー勤務を経て、2003年6月に北海道帯広市に同社を設立。戸建て住宅の新築、リフォーム、不動産事業を手がけ、現在は、道内に14店舗を構えるまでに成長。売上高50億円、従業員数170人。2014年からはロシアでのインフィル住宅施工事業、2015年からはフィリピンでの設計業務事業も始めている。
株式会社ロゴスホーム http://www.logoshome.jp/