ウォルトン社:山中輝夫氏
ウォルトン社は、カナダ・アルバータ州に本社を構える、北米における不動産投資及び開発グループだ。創業35年以上の歴史を誇り、管理下の土地資産は10万3000エーカー、世界中に約9万人の顧客を抱えている。
「我々の専門分野は土地の調査・買収と開発。不動産には『土地買収』『インフラ敷設』『建物造成』『完成不動産』という4つのステージがありますが、当社の未開発プロジェクトは最初のステージに着目して、将来成長が期待できる土地の販売を行っています」 (山中氏)
基本的な流れとしては、ウォルトン社がレバレッジを効かせずに広大な土地を安価に仕入れ、将来の住宅地の拡大に伴って土地の価値が大幅に上がる段階で売却、利益を得るというビジネスモデルで、土地は小口化され1口1万米ドルで販売。この時ウォルトン社は土地全体の5%程度を顧客と共に土地が売却されるまで保有する仕組みを設けている。海外不動産投資ながら少額で始められることに加え、大手開発業者と共に土地を保有するという安心感も得られるのが特徴だ。
実績も豊富で、これまでに81件のプロジェクトを売却していて、内部収益率は12.47%(最低4.75% 最高28.51%)と申し分ない。購入から売却までの期間は短くて2年4カ月、最長で19年、加重平均は8.71年となっている。
「アメリカの人口は毎年300万人増えていて、日本に例えるなら大阪市270万人に匹敵する水準。彼らが住む町が必要ですから、何もない土地がどんどん開発されていくのです。そこを狙うのが当社のビジネスモデルですが、投資を行う地域は、雇用や人口、着工許可数といった市場条件や取得項目を厳選しています」
不動産投資で難しいのは目利きだが、ウォルトン社は綿密な調査によりエリアを絞り込んでくれる。現在までに総額19億カナダドル(約1600億円)を投資家に還元してきたことからも土地の調査能力に秀でていることは明らかだ。手軽に北米投資を始める手段として有効ではないだろうか。
株式会社地球と不動産:重盛竜也氏
ベトナム不動産をテーマにした対談で、エンリッチにご登場いただいた、株式会社地球と不動産も今回のフェアに出展。来場者にとって同国の不動産投資は珍しいのか、ブースには人の列が絶えず、重盛竜也社長も休む暇もないほど。
「ベトナムの不動産市場が外国人に解禁されたと、今日のフェアで知った方が多いようです。さらに、物件価格がリーズナブルなこともあり、検討したいという声をいただいています。好感触です」
同社が扱うのは、ホーチミンのコンドミニアム。都心部初で日系企業のよるプロジェクト「ANGIA SKYLINE」は35階480戸という規模。価格帯は約1000万円からだ。
「日本人学校が近くにあり、ファミリー層の入居が期待できます。仮に日本人がテナントにつかなくても、台湾人学校や韓国学校もあるので、賃貸ニーズは問題ありません」
解禁から間もないということもあり、価格は安く狙い時。リスクは伴うが、先行者メリットも享受できそうなのが、ベトナム不動産投資といえるだろう。
ーーーこれまでに挙げた以外でも、フィリピンやカンボジア、タイ、マレーシア、ハワイなど、多岐に渡る国の不動産を紹介する企業ブースが軒を連ねていて、来場者の関心を誘っていた。ひとつの場所で、これだけの情報に触れられるのは魅力的だ。それでは、次回4月の締めくくりも、出展企業の声をお届けしよう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。