竹内 よく聞かれますが、実際はそうではありません。ようは、私も含めデベロッパーの仕入れ担当者は、常日頃から「安く買いたい」と考えるクセがあります。
なら「安く買える条件」「安く売りたい理由」を挙げていくのですが、すると「事業再生」「経営難」「相続」というような事情に辿りつくのです。私の場合、そういった仕事に携わってきましたから、独自の人脈やルートを築くことができました。
内藤 うまく仕入れをやろうと考えた結果、「売らざるを得ない」というところにアンテナが立っていったわけですね。
竹内 そこで、いままではデベロッパーなど不動産のプロに買ってもらっていましたが、日本不動産投資アドバイザリーでは、個人=エンドの方々に紹介するビジネスを始めたのです。すると、より川上にある物件ですから安く卸せます。価格のねじれを利用したビジネスといえるでしょう。
ーーー「売らざるを得ない」事情に着目して、一般に流通する前に売り手と買い手をマッチングさせる未公開物件。「周りに知られずに売りたい」「はやく安く買いたい」という両者にニーズを満たすビジネスモデルといえるだろう。
竹内 栄詞(たけうち・えいじ)
株式会社日本不動産投資アドバイザリー 代表取締役
1974年生まれ。明治学院大学法学部法律学科卒業後、首都圏を中心に各種不動産販売・開発事業を手掛ける。国内の不動産業務を専門とし、弁護士、税理士に太いパイプを持つ。特に、未公開物件情報収集に強いネットワークを持ち、投資家に紹介する独自のビジネスモデルを構築。紹介実績は今までに200件超。株式会社エコ住宅業務執行役員、都市環境株式会社代表取締役を歴任し、現在は株式会社国土総合研究所所長も務める。