資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと、資産運用に関する旬のトピックについて語り合う、本企画。6月は「未公開物件」をテーマに、日本不動産投資アドバイザリーの竹内栄詞代表取締役社長と対談を行っている。不動産取引の川上に位置する未公開物件だが、価格的にもインパクトがあるという。
「未公開物件」の
価格的な優位性とは?
内藤 つい先日、東京都練馬区の上石神井にある物件の視察で、竹内さんとご一緒しました。築33年のRC物件で見た目も内装もボロボロでしたが、あれも未公開物件のひとつですよね。
竹内 そうです。これは、いま物件を所有する不動産会社がリノベーションして、2億1500万円で販売するという案件で、私は買い手を探しているといった状況です。ところがこの物件ですが、仮に他の会社に売却して、さらに業者がリノベーションをして一般流通で売るとしたら、価格は2億6000万円くらいまで上がってしまいます。川上と川下の段階では、これほど価格差が出てしまうのです。
内藤 しかしながら、未公開物件を不動産会社ではなく個人に紹介するわけですから、業者から苦情はありませんか。
竹内 むしろ、同情されています(笑)。業者に転売する場合、プロ対プロの取引ですから、お互いにリスクをコントロールしながらやり取りできますが、個人だと色々説明責任が生じてきますし。リスクについて説明し、克服できると証明できないと買ってくれません。そういった手間はかかります。
内藤 条件の良い未公開物件に辿りつくのも大変では?
竹内 仕入れに関しては、買い手となるお客さんをたくさんもっているかどうかもカギになります。売り手からすると、事情がありはやく売却したいわけですから、すぐさま買ってくれる顧客をたくさん持つ業者と取引したいという思惑があります。私の場合、これまでの顧客や、内藤さんからの紹介で、かなり助かっています。