資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと、資産運用に関する旬のトピックについて語り合う、本企画。6月のテーマは「未公開物件」だが、条件の良いものを手に入れるには、どうすればいいのだろうか。
「未公開物件」を
逃さないための姿勢とは?
内藤 いつでも買えるように準備をしておくことが、未公開物件を手に入れるためのポイントのようですが、他にも失敗しないためにしておくべことはあるでしょうか。
竹内 私も迅速な決断を促しておきながら矛盾しますが、不動産のいいところは、現物が目の前にあり、数字やデータを集めようとすれば、すぐに収集できるということです。リスクがどこにあるのか文字や数字化しやすいので、ジャッジする前に集めておき、それをコントロールできるか判断しておくことです。そういったスキルを磨いておくことは肝心だと思います。
内藤 資金力も大事では? 未公開物件の場合、売り手がすぐに現金を欲しがるケースがほとんどなので、少なくとも手付金はキャッシュで用意できないといけません。目安としては物件価格の2~3割、1億円の物件なら2000万円は必要です。よって、年収は高いなど属性が良くても、現金がない人には向いていません。
取引する相手にも注意したいところです。竹内さんの場合、責任をもって好条件の物件を紹介してくれますが、なかには怪しい業者もいるかもしれません。中古物件であれば買った後にメンテナンスなどトラブルが起きる可能性もあり、フォローしてくれるかどうか。テナントや管理会社を探すサポートもしてくれるのか、事前に確かめておくことです。
竹内 私もその点は重視していて、足りない部分もあるかもしれませんが、フォローの徹底は心がけています。お陰さまで、これまでトラブルやクレームはありません。
内藤 いずれにしても、レインズに載るということは、その前に段階で買い手がつかず、売れ残った商品だということ。それより川上にある未公開物件には、魅力があるとわかりました。
竹内 私のように未公開物件をメインに扱う者からすると、レインズに出た時点で魅力は劣るという認識はあります。実際、光る部分がない物件だと買い手が見つからないので、レインズに流してしまったほうがいいと買い手にアドバイスすることもありますから。対して、何か光る物件なら、その時点で買い手の姿を思い浮かべることができ、スムーズに紹介、契約という流れになります。
内藤 売れ残るには理由があるということですね。未公開物件には売り手の事情があり、仮に「今月中に現金が欲しい」「手付金がないと会社が回らない」であれば、少し価格を安くしても売ってしまいたいところ。そこで、買い手が強くなるという原則も働きます。