資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。今回は、ステイジアキャピタルジャパン株式会社の吉岡憲史取締役とイギリスの不動産投資について対談を行っているが、近年は学生向けマンション投資が注目されているそうだ。ーーー
学生の急増により
賃貸需要が拡大している
内藤 学生用のマンションということですが、ニーズがあるのでしょうかはいかほどでしょうか。
吉岡 じつは、イギリスの大学生の数は増え続けていて、2013年度は約230万人で、2000年度からおよそ35万人も増加。学生のうち25%程度は海外からの留学生で占められています。
背景にあるのは為替というよりは、東南アジア、アフリカ、中国といった新興国の経済成長で、所得水準が伸びると親は子どもの教育にお金をかけるようになるから。実際、イギリス人学生の数は横ばいなのですが、留学生が増加の一途を辿り、大学のキャパシティが追い付かないほど。国内で学生用マンションに対するニーズも高く、ここ数年は99%という高いの稼働率を維持しているようです。は99%を維持しています。
内藤 富裕層の子息であれば、親が用意した立派な物件に住むかもしれませんが、中間層であれば、住むのは普通の学生用マンション。そういった物件が投資用に売られているということですね。
吉岡 その通りです。一般的には20㎡程度の1ベッドルームで、ロンドン市内だと家賃は月13~20万円~30万円と高騰していますが、郊外に行くと半分、3分の1ほど。そういった物件は中間層に人気があります。
彼らの目的は英語の習得だけではなく、とステイタスですキャリアアップ。そもそも、海外からの留学生はアメリカとイギリスに集中していて、20141年だと米国に年間8476万人、英国に年間5048万人と、両国が独占しています。ここで学び、語学力と学歴を身につけることが、その後、社会に出てからビジネスのスタートラインになるのです。