内藤 世界大学ランキングの上位は、オックスフォードやスタンフォード、ケンブリッジ、MITといった英米の大学ばかりですし、留学先としての選択肢にも挙がりやすいでしょう。大学側もインフラやプログラムを用意するなど、受け入れ態勢が整備されています。
吉岡 英語を学ぶだけならオーストラリアやニュージーランド、それこそフィリピン、それこそオーストラリアやニュージーランドでも構いませんが、いかんせん箔がつかないというのが彼らの考えです。“イギリスの大学”を出ていることが大事で、親もそれをわかっています。
去年、ベトナムの大手デベロッパーと仕事をする機会がありましたが、30代の幹部クラスは皆さん、ハーバードやロンドン大学など米英の大学に留学経験があり、MBAホルダーも。新興国のビジネスシーンでは、そういった学歴はいわばスタートラインに立つための条件です。キャリアがないと採用されず、幹部候補にもなれないということです。ならば、イギリスは留学の観点に立つと非常に優位性が高く、落ち目になりません。
内藤 イギリス自体も、外貨を稼ぎ自国利益になりますから。それこそ、学生が集まりやすいようにインフラを整備し、自らステイタスを下げる格を落とすような行為もしないはず。留学生が増えるとブランディングにもつながります。欧州はもちろん、アフリカや中東から距離が近く、インドであればニューヨークよりロンドンの方が断然近いといった地の利もあるでしょう。
吉岡 だからこそ、先ほど申し上げた通り、イギリス国内の学生用マンションは、稼働率が99%という高い水準を維持できるのです。客付けに困りません。
ーーー留学生の数が増え続けているというイギリス。そこで、学生用マンション投資が注目されているわけだが、どういったモノなのか。次回はその点を掘り下げていく。
吉岡憲史(よしおか・けんじ))
ステイジアキャピタルジャパン株式会社取締役
青山学院大学卒業、英国ラフバラ大学大学院修了。
株式会社新潟総合テレビ、株式会社クリード、クリード不動産投資顧問株式会社(出向)、APN株式会社取締役、APH株式会社代表取締役などを経て、2013年より現職。賃貸情報サイト「家賃5万以下ドットコム」の発案者。