資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。2月はタイチ不動産の池田将洋氏をお招きして、NYの不動産投資環境をテーマに対談を行っている。
利上げが実施され、米国景気は上向き
一方で、ローン金利は下がる可能性も?
内藤 NYだけではなく、アメリカ全体の景気はいかがでしょうか。
池田 とても良いと実感しています。
内藤 FRBは昨年12月、1年ぶりに政策金利を引き上げました。今年以降に関しても2回の引き上げ実施予定を3回に上方修正する可能性もあるとか。ここからも、米国の好調さが伺えます。
池田 中央銀行が金利を引き上げると、景気の過熱感を抑えるために市中銀行も同様の施策を実施するのが一般的。住宅ローン金利も同じことです。ところが米国においては逆、長期の視点で見ると今後ローン金利は下がっていくと私は見ています。
内藤 昨今、日本は空前の低金利だというのに銀行は融資先に困っていて、しいて言うなら不動産投資くらいです。アメリカも似たような状況だということでしょうか。
池田 その通りです。基本的にアメリカは日本と異なり、貸し手となる銀行が個人保証を求めない、ノンリコース融資が一般的です。とはいえ、不動産は銀行にとって優良な貸出し先なので、ローン金利を引き下げて顧客開拓していくことは銀行にとって効果的でしょう。実際のローン金利は一般的に4.5%ほど、属性の高い相手で3%台というのが現状ですが、融資先がないことからすでに、銀行間による引き下げ合戦は始まっています。すると、ローン金利が下がると不動産価格は上昇しますから、まだまだNY不動産のポテンシャルは高いと考えています。
内藤 景気が良くなると、賃料や家賃を高く設定することができ、その分、収益不動産の利回りも上昇し、結果、不動産の価値も一緒に上がっていくというわけですね。池田さんが予測するように、今後、ローン金利が下がると、その流れは加速するでしょうね。