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NY不動産投資 最前線レポート 4/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。2月のゲストはタイチ不動産の池田将洋氏で、NYの不動産投資環境をテーマに対談を行っている。

エンリッチ 内藤忍 NY4

希少性を追求した結果
価格が何十倍になった物件も

内藤 NYの不動産投資では、利回りを優先するよりも、物件が持つ高い価値、安定して家賃収入が入ってくるなど、安定性の面で優位性が伺えます。価値が高いなら美術品を買うのと同じで、将来的に大きく値上がりする可能性もゼロではありません。

池田 20年前にセントラルパークの近くにあるコンドミニアムを5000万円ほどで買った日本人がいたそうです。その部屋だけベランダがあり、セントラルパークビルをもっとも最高な角度で眺めることのできるのですが、その希少性の高さから、購入当初の何十倍の買い希望があるようです。もっとも、一度手放すと二度と戻ってきませんから、オーナーは売る気はないそうです。こういった例はNY では珍しく有りません。

内藤 そんなことがあるとは驚きです。

池田 NYは人口が増え続けていて、世界でももっともお金が集まる街でもあります。かつ供給が追い付いていませんから、不動産の値下がりとも無縁。だからこそ、こういった現象が起きるのでしょう。

内藤 他にもユニークな物件はありますか?

池田 そうですね。これは、マンハッタンのセントラルパークの眼前にあるコンドミニアムです。

エンリッチ 内藤忍 NY4 コンド1

エンリッチ 内藤忍 NY4 コンド2

エンリッチ 内藤忍 NY4 コンド3

ワンベッド、ワンバスルームの物件で、価格は1.5億円。日本に例えるなら、皇居の目の前に建っているイメージですが、それと比較すると坪あたりの買値価格がこちらの方が割安だと日本人の投資家から聞きました。日本では東京を中心に急激に価格が上がっているエリアがあるので、NYはそれに比べると割安に感じるそうです。いまテナントは入っていませんが、想定表面利回りは5%くらいになると考えています。NYだとかなり好条件の物件です。

他にも、老舗デパートの「ブルーミングデールズ」の近くには、木造建築の中古ビルがあり11億円で売りに出しています。実質利回りは4%と、こちらも悪い条件ではありません。日本の木造は35年ほどでダメになる計算ですが、NYは60~70年もち、この物件なら築100年。外壁はブリックで中は木造という作りですが、立地が良く価値が高いので、これだけの価格がつくのです。

内藤忍

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