日本政府としてもサポーティブで、昨年は仮想通貨に関する法制度が大きく進展し、「仮想通貨法」という改正資金決済法が参院で可決、今年に施行されます。
すでに存在しているビットライセンスはニューヨークの州法のため、仮想通貨に関する法律ができるのは、国としては日本が世界初。昨年末には内閣府令や事務ガイドラインの案も発表されました。自民党のIT戦略特命委員会でもサポートしていただいています。日本ではいま、仮想通貨の分野で世界をリードする取り組みが着々と進んでいて、当社としてもこの動きに少しでも貢献したい考えで、今年を「仮想通貨元年」と位置づけ、より多くの方々にビットコインの利便性と魅力を伝えたいところです。
内藤 最初にお聞きしたいのは、ビットコインを含めた仮想通貨の現状についてです。
加納 ビットコインはもともと、2008年10月に、中本哲史(なかもと・さとし)と名乗る人物がネット上に投稿した論文によって提唱されました。翌年、2009年1月には、ビットコインの理論を実現するためのソフトウェアがオープンソースで開発・公開され、すぐさま最初の取引が行われています。以降、仮想通貨の種類はどんどん増えて、いまでは全世界で800種類を超えるほど。「モナーコイン」と呼ばれる日本初の仮想通貨もありますが、多くは比較的時価総額が小さく、2017年5月現在ですと、時価総額が100万円以上の仮想通貨は350種類程度です。ちなみにビットコインの時価総額は約3兆円、これに次ぐのが当社でも扱う「イーサリアム」で約9220億円。仮想通貨全体の時価総額は約5兆円を超えるので、両者で時価総額全体の約70%を占めることになります。
ーーービットコインをはじめとする仮想通貨。存在感を増しているが、果たしてどういった特徴があるのだろうか。次回も、新たな通貨について掘り下げていこう。
加納裕三(かのう・ゆうぞう)
株式会社bitFlyer代表取締役
1976 年生まれ。2001 年に東京大学大学院工学系研究科修了後、ゴールドマン・サックス証券にてエンジニアとして自社決済システムの開発を行う。その後デリバティブ・転換社債トレーダーとして機関投資家向けマーケットメイク、自己資産運用等を行う。
2014 年 1 月に株式会社 bitFlyer を共同設立。
日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事。